「金の推し、銀の推し」
最近、最近、あるところにとても真面目で働き者のオタクがいました。
オタクは推し活に励む為に、毎日一生懸命働きました。
ある日、オタクはうっかり大事な推しのアクスタを池に落としてしまいました。
「どうしよう、あれが無いと仕事が手につかないよ。」
その時、池が七色に輝き中から女神があらわれました。
女神はオタクに尋ねました。
「あなたが落としたのはこの金のアクスタですか?」
「いいえ、違います。」
「それでは、この銀のアクスタですか?」
「いいえ、違います。」
「それでは、この紫のアクスタですか?」
「はい、それが私の推しのアクスタです。」
オタクは正直に答えました。
正直なオタクに感心した女神は3つ全てのアクスタをオタクに与えました。
その様子を木陰から欲張りなにわかオタクが見ていました。
真面目なオタクをマネしたにわかオタクは、
その辺で買ってきた青いアクスタを躊躇なく池に放り込みました。
すると、同様に池が七色に輝き中から女神があらわれました。
「あなたが落としたのはこの金のアクスタですか?」
「はい、そうです。あと最近、推し変をして銀のアクスタも落としました。」
「それでは、このアクスタの名前は言えますか?」
「え?えっと…その…」
にわかオタクは金や銀どころか、わざと落とした青いアクスタの名前も言えませんでした。
嘘つきのにわかオタクは青いアクスタを女神に没収されました。
後日、にわかオタクと真面目オタクは別の場所で出会い、
真面目オタクに熱心に布教されたこともあり、
にわかオタクも今ではすっかり真面目オタクになりました。
END