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「架空請求詐欺と亀」

最近、最近、兎と亀がかけっこをしていました。
地道に歩みを進めていた亀の前に慌てて逆走してきた兎が現れました。
兎が競争を途中で投げ出すのは今に始まったことではありませんが、
ただ事では無さそうなので、亀は理由を尋ねました。

「何か未納の支払いがあって早く払わないと裁判になるらしいんだ!」

亀はピンと来ました。これは詐欺だと。取り敢えず騙されていると教えましたが、

「僕が騙されているだって?そんなわけないだろう。」

と、何故かやたら信じ込んでいるようでした。随分言葉巧みに誘導されているようであり、受け答えがやたら頑ななので、まずは落ち着かせることにしました。

「まあまあ、相手さんは急かしているだろうけど、大金が動くなら何よりまずは落ち着かないと。ほら、そこの木陰で一緒にお昼寝しよう。過払い金と言ってね、金額が合ってない可能性も…」

兎はまだ少し抵抗しましたが、最終的には亀と一緒にお昼寝しました。
ひと眠りして兎は落ち着きを取り戻しました。

「確かに亀くんの言う通り騙されていたかもしれない。まずは何の支払いか確認してみるよ。」
「本当に何か滞納していたとしても、内容はちゃんと確認してね…」

結局、一度も見たことのないサイトで買ったことがないものの支払いだったので、騙されていると一目で分かりました。

「取り敢えず詐欺だと分かったことだし、今度からは気を付けてね。」
「ありがとう。まずは亀くんに相談するようにするよ。」
「あまり誰かを一方的に頼るのも気を付けてね…」

END

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