「田舎のねずみ講と都会のマルチ」
最近、最近、田舎に住んでいるとある男性が、都会から来たとある女性と出会いました。男性は地元の行きつけの店を女性に紹介しましたが、女性は気に入りませんでした。
「君はこんな田舎での生活に退屈しないのかい?都会に来てごらんよ。」
男性は女性に誘われて都会に赴き、女性の運営する事務所に案内されました。そこでは豪勢な食事が振舞われましたが、男性が食べようとしたその時…
「ごめん!警察が押しかけてくるからすぐに出て!」
2人は別の事務所に移動して、再び食事を始めようとしましたが、
また警察がやって来て、機会を逃してしまいました。
「退屈はしないけど慌ただしいね。君は何の仕事をしているんだい?」
女性は会員制の組織で商品販売を行い紹介料やマージンで利益を得ており、
その性質上、警察が介入することが多いと話しました。
会員にならないかと女性は勧誘し、男性は、
「僕の組織の会員になってくれるなら考えよう。」
と回答しました。男性も組織の運営を行っており、商品は販売しませんが、
定期的に会員を連鎖的に増やして会員費を募ることで生計を立てているとのことでした。
2人は結局住み慣れた場所に戻りましたが、お互いを会員として得ることが出来ました。田舎や都会を出ることは2人にとって良い経験となりました。
今はそれぞれ鉄格子の部屋から、住む場所は違えど似たようなことをしていた相手を思い出す日々を送っています。
END