6月の本
今月は2冊でした。
●君が夏を走らせる 瀬尾まい子
ろくに高校にいかず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヶ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。
断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがてー。
きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。
「そして、バトンは渡された」の瀬尾まいこさんです。
持ってるのにまだそちらは読んでないんですけど。
前作の「あと少し、もう少し」で登場する大田くんが主人公のようです。(こちらも読んでないので)
金髪の不良少年となっていますが、今作だけ読むと家庭環境も良く、料理もできるし、子ども想いで順応性の高い少年という印象でした。
言うことを聞かないという鈴香も、1ヶ月足らずでさほど苦なく相手ができるようになっているのは大田くんだからなのか、少年ゆえの鈍感さなのか。
子育て中の身としては大田くんの順応性の高さが羨ましい限り。
さらに自分の成長に繋げられるなんて素晴らしいよ。
1ヶ月で大きく成長した鈴香と大田くんがお別れするシーンはちょっとうるっとしちゃうね。
●妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。 ズュータン
マインドコントロールされた夫、母親が信者、100の夢を持つ恋人・・・。
自身の体験と、7年かけて集めた被害者たちの声。
いまぶ、ブラックボックスの蓋が開けられる!
自分はマルチ商法なんかに引っかからないと思っているけど、弱っているところに上手に入りこまれたら、もしかしたらがあるかもしれない。
ハマってしまえば周りからマルチだといくら言われて友達が離れていこうとも、反発されるほどハマっていく、まさに沼のよう。
本人は周りが見えなくなっているし、自分は良いことを
していると思っているから、そばに居る人達が傷ついていても気づくことができない恐ろしさを感じました。
恋人がマルチ商法にハマった「さやかさんと恋人」で自分の恋人がマルチにハマってどんどん人が変わっていく様は読んでいると苦しくなって涙が出るほどでした。
大切な人がマルチ商法によって人格を変えられ、自分では元に戻してあげることはできないという無力感、想像するだけでもとても悲しいことです。
ハマってしまった本人は、その親に育てられた子は、家族を失ってしまったズュータンはこの先どうなってしまうのでしょう。
6月はこの二冊でした。
通勤時に文庫本を読んでいるのですが、ちょうどいい感じの本のストックがなくなってしまったのでサクッと気持ちよく読める本を探しています。
何かないかな。