相続アドバイザー3級 項目17.債務引受
・「債務引受」とは、特定の相続人(引受人)が債務を承継すること
債務者が負担する債務を、「契約によって第三者が負担する制度」である
・改正前の民法には、債務引受についての規定が無かった
・債務引受には、併存的債務引受 と 免責的債務引受 の2種類がある
併存的債務引受 → 元の債務者も引き続き債務を負担する
免責的債務引受 → 元の債務者は免責されて、債務は負担しない
(例)
債務者Aの死亡により相続が開始
相続人が、配偶者B、子C、子Dである場合
■BとDの承継債務を、免責的債務引受によってCが引き受ける場合
① 原則として、相続人全員による免責的債務引受契約の締結が必要である
② Cの引受債務について、BとDを連帯保証人とすることは可能である
③ もし、引受人(C)以外の者が担保権を設定していたら、担保権設定者の
承諾を得なければならない
=保証債務・物上保証は、保証人または物上保証人の承諾がなければ
移転しない(消滅する)
■BとDの承継債務を、併存的債務引受によってCが引き受ける場合
→引受人Cは、BとDの債務について連帯債務者となる
■Aの借入債務について、遺産分割協議によってDが単独で全額を承継する
という合意が成立した場合であっても、債権者である金融機関はこれに
拘束されない