見出し画像

[テオリアの前に(11)]英語の文型を理解する前に知っておきたい考え方

これまで「品詞」について学んできました。それでは本格的に文を扱うお話に入っていくことにします。英語の文は「主語」+「動詞」から始まります。動詞のところで学びましたが、動詞は「後ろになにが来るのか」ということもちゃんと頭に入れておかなければなりませんでした。

「会う」という動詞であれば、「誰に」というように「ひと」が必要です。英語ではmeetの後ろに「ひと」が来なければならないと言うことです。

I met your grandfather at the station yesterday.(昨日、私は駅で君のおじいさんに会いました)

また、「作る」という動詞であれば「何を」というように「もの」が必要です。英語ではmake や食事の場合はcookを使いますが。cookを例に考えると、「夕飯を作る」というように「夕飯を」という表現が必要となります。つまり、cookの後ろには「もの」が必要になるのです。

He cooked dinner for me.(彼は私のために夕飯を作った)

実は、この英文は次のようにも言い換えることができます。
He cooked me dinner. (彼は私のために夕飯を作った)
このときにcooked meだから「私を料理した」という意味?と思う人もいるかも知れません。それはcookという動詞について理解ができていなかったからです。

cook+もの 「[もの]を料理する」
cook +ひと+もの 「[ひと]に[もの]を料理する」
cook+もの+for 人 「[ひと]に[もの]を料理する」

という3つのパターンを理解していなければなりません、

さて、ここまで見てきたように英語の語順は
「主語」+「動詞」+「ひと」/ 「もの(ことがら)」
という並びになっていることがわかりますね。

ここまで見てきたように、動詞のタイプによって後ろに「もの」、「ひと」のどちらかを取るタイプ。それから「ひと」+「もの」のセットで取るタイプ(これは「もの」+「前置詞+ひと」という形で書き換えられます)があることがわかりました。。

たとえば「好き」を表すlikeは、後ろに「もの」、「ひと」のどちらかを取るタイプです。両方を取ることができません。「もの」、「ひと」は名詞ですね。
私はチョコレートが好き。  I like chocolates.
 (わたしはチョコレートを好む)
私はあなたが好き。  I like you.
 (わたしはあなたを好む)
動詞likeの後ろにchocolatesやyouという名詞が続いています。

それではbecomeという動詞の意味はわかりますか?「なる」という意味ですね。He became a doctor.は「彼は医師になった」という意味です。うしろに職業を表す名詞が続きます。そこで、次の英文の意味はわかりますか?
He met a doctor yesterday.
「昨日、彼は(ある一人の)医師に会った」という意味ですね。

He became a doctor.とHe met a doctor.の違いは何でしょうか?
「動詞が違う」というのが正解ですが、もう少し考えます。
He became a doctor.は「彼」自身が「医師」ですよね。
Tom  became a doctor.であればトム自身が医師です。
「彼」は「医師」である。
「トム」は「医師」である。
というように「AはBだ」と言える文ですね。

一方、He met a doctor.はどうでしょうか?「彼」と「医師」は別人だということがわかりますよね。このときは「彼は医師である」とは言えません。「AはBする」がベースになっている文です。

「AはBだ」ということを表す動詞にはis/am/areといったbe動詞のほかに、becomeがあります。A is B. やA become B.という文です。この文は次のように説明することができます。
Aを文の主語という
isやbecomeを文の動詞という(現在・過去などがわかるので正確には述語動詞)
Bに相当する語句を文の補語という
つまり、Heが主語、becameが動詞(過去形)、a doctorが補語です。
he=a doctorと表すことができます。

「補語」という文法用語が出てきましたが、これは主語(A)について「職業」や「性質」「性格」「状態」を表し、補う役割があるのです。
彼はいい人です。
という文はHe is nice.と言います。niceは彼の性格を表しています。niceを文の補語というのです。he=niceとイコールで表すことができます。

一方「AはBする」と言うことを表す動詞はものすごくたくさんあります。He met a doctor.という文は次のように説明できます。
Heは主語、metは動詞(過去形)、a doctorは目的語と言います。
「目的語」という文法用語が出てきましたが、これは「補語ではない名詞」のことだと理解しておきましょう。つまり、主語とイコールにならないものです。イコールかどうかは動詞の性質で決まります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?