Kurabayashi

博士(英語学)。大学で英語を教えながら、言語学と文体論を研究しています。普段からことばについてあれこれ考えています。

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マガジン

  • 『基礎英文のテオリア』がちょっと難しかったらこちらから

    『基礎英文のテオリア』(Z会)は読解の基礎についてまとめた本ですが、その前提となる文法知識が曖昧な方へのサポートサイトです。

  • 英語の読み方(ポイント整理)

    英文を読むときのポイントを整理しながら、そして演習を通して理解を深めます。これはどこかで使おうと思って書きためていた原稿(の一部)を使い道がないため公開します。原稿の段階なので誤りが含まれている可能性もあります。

  • O.Henryの「賢者の贈り物」を精読してみよう

    小説の英文を精読することで、作品の鑑賞と理解に向かいます。一文一文丁寧に語彙、構造、意味を確認していきます。

  • 英語の歌を文法的に考えてみる

    英語の歌を楽しむだけでなく、英語の勉強もできる。そんな一石二鳥なシリーズです。

  • ことばとこころの言語学

    わたしたちのことばについて、ゆるく、でも言語学的に考えてみます。

最近の記事

[テオリアの前に(21)]名詞を後ろから説明する

前回は名詞の前に様々な要素がくっついている名詞句を見てきました。今回は名詞を後ろから説明するパターンを確認しましょう。 主なパターンは次のようなものになります。 [名詞+前置詞句] [名詞+現在分詞〜] [名詞+過去分詞〜] [名詞+to不定詞] [名詞+関係詞節] それでは確認をしていきましょう。 [名詞+前置詞句] the cat in the rain (雨の中の猫) in the rainという前置詞句がthe catを説明しています。   前置詞句

    • [テオリアの前に(20)]名詞を中心に考える

      前回、品詞と文型の関係を見たときに、名詞は文型の中で圧倒的に用いられる品詞であることがわかりました。もう一度その表を下に出しておきますので確認してください。 名詞は単独で用いられるのではなく、形容詞によって修飾されたり、関係代名詞の先行詞になります。『基礎英文のテオリア』では次のような表でまとめました。 この表を少し丁寧に解説していきます。 まずは、watchという名詞から始めましょう。「腕時計」というモノを表す名詞で、数えることができますね。そうするとa watchが「

      • [テオリアの前に(19)]5文型と品詞のまとめ

        これまで5文型について確認できたと思います。そして、品詞についてもある程度の理解が進んできたはずです。 5文型のそれぞれの要素を一つの箱と考えて、その箱の中に語句が入ります。主語の箱、動詞の箱などです。そして、その箱にどのような語句を入れてよいのか指示をする必要があります。 例えば、主語の箱には「名詞要素」を入れる。補語の箱には「名詞要素」もしくは「形容詞要素」を入れる。という感じです。 これをまとめたのが以下の表になります。 この表をみて、圧倒的に名詞が様々な箱の中に入

        • [テオリアの前に(18)]5文型のまとめ

          これまで5つの文型を見てきました。大切なことをもう一度復習しておくことにしましょう。 次の英文の文型を考えながら日本語に訳してみましょう。 (1) I'm leaving for Paris this evening.  (2)The train left Tokyo for Kyoto at 7:00. (3) I left my smartphone on the bus yesterday. (4) My father left me a large fortune.

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          [テオリアの前に(17)]第5文型とは

          ここまで文型を見てきましたが、最後です。5文型の基本を確認しておきましょう。 次の2つの文を比べるところから始めましょう。 He made me lunch. He made me sad. さて、意味の違いを確認できましたか?どちらも[He made me]までは一緒ですね。Heが主語、madeが動詞、meはheとイコールにならないので目的語です。 He made me lunch.ではmeとlunchがイコールにはならないので、lunchは目的語です。ということは、

          [テオリアの前に(17)]第5文型とは

          [テオリアの前に(16)]第4文型とは

          第4文型が表す意味は「主語が[ひと]に[もの]を与える」というものが根底にあります。「彼があなたたちに英語を教える」という場合「あなたたちに英語という言語に関する知識を与える」と考えてもいいですよね。 そうすると、第4文型は次のような語順になるのです。 「主語」+「動詞」+「ひと」+「もの」 言い換えると 「主語」+「動詞」+「目的語1(ひと)」+「目的語2(もの)」 目的語1を間接目的語、目的語2を直接目的語とも言います。 では、「彼があなたたちに英語を教える」という文

          [テオリアの前に(16)]第4文型とは

          [テオリアの前に(15)]第3文型とは

          第3文型は、これまでいろいろな場面で具体的な例として出してきたものなので、大丈夫だと思います。 「主語」+「動詞」+「目的語」という骨組みでできあがっている文型です。この目的語は「ひと」「こと」などで「AがBを〜する」という代表的な意味を持ちます。 He cooked dinner for us.は「彼は私たちに夕食を作ってくれた」という文ですが、Heが主語、cookedが動詞(過去形)、dinnerは「名詞」なので「目的語」か「補語」になります。補語の時は主語=補語という

          [テオリアの前に(15)]第3文型とは

          [テオリアの前に(14)]第2文型とは

          第2文型とは「主語」+「動詞」+「補語」というパターンで出てくるものです。そして主語=補語の関係で捉えることができるものでした。 He is a doctor.とHe met a doctor.の違いがわかれば大丈夫です。He is a doctor.は「彼」=「医師」であり、He met a doctor.は「彼」と「医師」は別人物ですね。主語とイコールの関係で捉えることができるものを「補語」、捉えることができないものを「目的語」と言いました。 「主語」+「動詞」+「補

          [テオリアの前に(14)]第2文型とは

          [テオリアの前に(13)]第1文型とは

          第1文型とは「主語」+「動詞」(+副詞、副詞句)で文が完結するものです。実際に例を見ながら確認していきましょう。 He runs in the park every morning. (彼は毎朝、公園を走ります) この文はHeが主語、runsが動詞というところまでわかりますね。 in the parkは「前置詞+名詞」の形で「場所」を表します。これは「副詞句」でしたね。文の主要な要素にはなりません。そしてevery morningは「毎朝」という意味で「時」を表す副詞でし

          [テオリアの前に(13)]第1文型とは

          [テオリアの前に(12)]基本5文型とは

          英語の勉強をしていると「5文型」という言葉をよく聞きます。文型がどんなものかしっかり理解しておくと、英語を使うのがとても楽になります。 前回は「主語」「動詞」「目的語」「補語」という用語まで確認したところです。文型はこれらを組み合わせたものですが、「主語」と「動詞」はどんな文にも必要なので、「動詞の後ろの語順」がポイントになるのです。 「主語」+「動詞」+X このXに入る要素が「目的語」だったり「補語」だったりします。次に5文型をまとめてしまいます。 第1文型 「主語」

          [テオリアの前に(12)]基本5文型とは

          [テオリアの前に(11)]英語の文型を理解する前に知っておきたい考え方

          これまで「品詞」について学んできました。それでは本格的に文を扱うお話に入っていくことにします。英語の文は「主語」+「動詞」から始まります。動詞のところで学びましたが、動詞は「後ろになにが来るのか」ということもちゃんと頭に入れておかなければなりませんでした。 「会う」という動詞であれば、「誰に」というように「ひと」が必要です。英語ではmeetの後ろに「ひと」が来なければならないと言うことです。 I met your grandfather at the station ye

          [テオリアの前に(11)]英語の文型を理解する前に知っておきたい考え方

          [テオリアの前に(10)]代名詞の格変化を頭に入れておこう。

          「昨日駅で祖父に会った」という日本語を英語にしてみましょう。 Yesterday grandfather met staionとは当然言うことができません。英語の語順を思い出してください。 主語、動詞が必要でしたね。では、この時の主語は? 日本語では表されていませんが、「わたし」自身が言った言葉として考えて見ると、「わたし」を主語にすることができます。 主語は「○○は」という意味を持つものでした。そのときにIという語を使いますよね。これを「人称代名詞」と言います。「ケンは」

          [テオリアの前に(10)]代名詞の格変化を頭に入れておこう。

          [テオリアの前に(9)]動詞を見ると何がわかるのか

          前回は動詞が現在形か過去形かを見抜くためにはどのような考え方をすればよいのかについて説明しました。今回も動詞を扱いますが、「動詞の後ろ側」について考えていきます。 前回「動詞」が様々な情報を持っているということをお話しました。そのうちの一つが「現在」なのか「過去」なのかが動詞から判断できるということでした。今回は、他にも動詞が持つ情報について読み取れるようにしましょう。 動詞のbuyの過去形はboughtですが意味はわかりますか?「買う」で過去形が「買った」という意味で正

          [テオリアの前に(9)]動詞を見ると何がわかるのか

          [テオリアの前に(8)]主語と動詞の関係について知っておくこと

          これまで「名詞」「形容詞」「副詞」について確認をしてきました。次に「動詞」です。 つぎの英文を音読してみてください。 He read that book. 誤解をおそれずにカタカナで表記します。 「ヒー リード ザット ブック」 と読んだ人はこれから一緒に勉強しましょう。 「ヒー レッド ザット ブック」 と読んだ人は基本はバッチリです。 それでは、一緒に勉強する方は次のことをしっかり頭に入れてください。 英語の文に必要なものは「主語」と「動詞」だということを前提に進め

          [テオリアの前に(8)]主語と動詞の関係について知っておくこと

          [テオリアの前に(7)]【副詞】のはたらきを理解しよう

          ここまで「名詞」「形容詞」と確認をしてきました。これから「副詞」に入ります。副詞のはたらきは、形容詞、副詞、動詞を修飾します。ほかにも「文全体」を修飾する副詞がありますが、ここでは触れずにおきます。 代表的な副詞には「ある様子をあらわすとき、それがどの程度か」を表すものが多くあります。日本語で考えましょう。 今日は暑い。 今日はかなり暑い。 「暑い」という程度がどれほどかというと「かなり」という(主観的な)程度を表す語で説明していますね。 彼は料理がうまい。 彼は料理が

          [テオリアの前に(7)]【副詞】のはたらきを理解しよう

          [テオリアの前に(6)]【形容詞】のはたらきを理解しよう

          形容詞は名詞を説明する品詞のことです。日本語でも「青い車」といったときの「青い」が「車」を説明していますね。「車」は名詞ですので「1台の青い車」という場合はa blue carとなります。【冠詞+形容詞+名詞】というパターンです。このパターンがわかると様々な英語を作ることができます。「私の青い車」の場合はmy blue carとなります。(ちなみに私の車の色です) a small room(狭い部屋) two cute cats(2匹のかわいい猫) many interes

          [テオリアの前に(6)]【形容詞】のはたらきを理解しよう