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英文読解の解像度を上げるということ

「文法もある程度わかるようになった」「比較的簡単な英文ならちゃんと意味もつかむことができるようになってきた」でも「長い文章になると読めないところが増えてくる」という人がいると思います。

これは、英文読解でぶつかる壁の一つです。「比較的簡単な英文ならちゃんと意味もつかむことができるようになってきた」という人が読めなくなる理由はいくつかありますが、ここでは読めるようになる手がかりをどのように得るかについて説明していきます。

「袋小路文」と呼ばれる意地悪な英文で考えてみましょう。次の文の意味はなんでしょうか?

The old man told the story cried.

「おじいさんは物語を話して泣いた」という意味だと答えた方は不正解です。

英語が読めなくなってしまう一つの原因に「ちゃんと考えない」ということがあります。ちゃんと考えるとはどんなことでしょうか?

それは、「主語」と「動詞」、そして「動詞の活用とタイプ」です。特にここでは「動詞」を中心に考えてみます。英文解釈の手順を示します。

①The old manは「おじいさん」という意味で「主語になる」と考えます。
②told the storyで「物語を話した」という意味で「動詞と目的語」になると考えます。
③cridという過去形の動詞が見えたところで「読みを修正」します。
④toldは過去形と過去分詞形があり〈tell 人 +O〉というパターンになるため、ここではtoldの後ろに「人」が来ないと困る。この場合の「人」は文頭のthe old manしかない。
⑤なのでtoldは過去分詞の形容詞用法で the old man ( who was ) told the storyという意味になっている。
⑥主部はThe old man told the story(その話を聞いたおじいさん)になり、動詞がcriedになる。

面倒な手順を踏んでいますが、慣れてくるとthe old man told the storyを見たときに「toldの目的語としての【人】がないから、これは過去分詞だ」という予測を立てることができるようになります。この「慣れ」があることで、上記の⑥つのステップを一気に以下のように縮めることができます。

①The old man told the story cried.と最後まで読んで、「あ、ciredが動詞だから、(接続詞もないので)その前にあるのが全て主部で、told the storyがthe old manを説明しているな」
②だから意味は「その話を聞いたおじいさんは泣いた」ということだ

一気に視野が広がる感じがしませんか?これが「解像度が高まる」ということです。

そのために何をするか?簡単です。1文1文「精読」をしていくということをある程度やり続けていく必要があります。ゆっくり読めばなんとかなる、というときに英文の捉え方を合わせて理解していくことで、徐々に解像度が高まってきます


いきなりこうした「読み」はできるようにならないので、着実にひとつひとつの英文を丁寧に見ていくことが大切になります。ぜひ拙著の『英文解釈のテオリア』や『英語長文のテオリア』を使って英文読解の解像度を高めてください



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