英文読解の解像度を上げるということ
「文法もある程度わかるようになった」「比較的簡単な英文ならちゃんと意味もつかむことができるようになってきた」でも「長い文章になると読めないところが増えてくる」という人がいると思います。
これは、英文読解でぶつかる壁の一つです。「比較的簡単な英文ならちゃんと意味もつかむことができるようになってきた」という人が読めなくなる理由はいくつかありますが、ここでは読めるようになる手がかりをどのように得るかについて説明していきます。
「袋小路文」と呼ばれる意地悪な英文で考えてみましょう。次の文の意味はなんでしょうか?
The old man told the story cried.
「おじいさんは物語を話して泣いた」という意味だと答えた方は不正解です。
英語が読めなくなってしまう一つの原因に「ちゃんと考えない」ということがあります。ちゃんと考えるとはどんなことでしょうか?
それは、「主語」と「動詞」、そして「動詞の活用とタイプ」です。特にここでは「動詞」を中心に考えてみます。英文解釈の手順を示します。
面倒な手順を踏んでいますが、慣れてくるとthe old man told the storyを見たときに「toldの目的語としての【人】がないから、これは過去分詞だ」という予測を立てることができるようになります。この「慣れ」があることで、上記の⑥つのステップを一気に以下のように縮めることができます。
一気に視野が広がる感じがしませんか?これが「解像度が高まる」ということです。
そのために何をするか?簡単です。1文1文「精読」をしていくということをある程度やり続けていく必要があります。ゆっくり読めばなんとかなる、というときに英文の捉え方を合わせて理解していくことで、徐々に解像度が高まってきます。
いきなりこうした「読み」はできるようにならないので、着実にひとつひとつの英文を丁寧に見ていくことが大切になります。ぜひ拙著の『英文解釈のテオリア』や『英語長文のテオリア』を使って英文読解の解像度を高めてください。
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