『英語長文のテオリア』(Z会)を使って「ゆっくり、じっくりテオリア」をやってみよう。
『英語長文のテオリア』(Z会)の英文を使って「ゆっくり、じっくり」学んでいくと、どんなことができるようになるのか、一例を示してみたいと思います。
テキスト162ページの解説を読んで理解をしておいてください。
一通り理解できたら、もう一度英文に向かい合ってみましょう。
この英文を理解するには次のポイントを押さえていなければなりません。
① 形式主語
②関係代名詞
③相関接続詞
④主節の主語と動詞を見抜くだけではなく従属節内の主語と動詞を見抜く
⑤現在分詞の形容詞的用法
これらのポイントが押さえられると、左から右に英語を読みながら理解していくことができるようになります。『英語長文のテオリア』は最終的に次のような頭の働かせ方をしながら読むために必要な基礎的な文法項目を解説しています。
ある程度文法がわかってきたら「一語だけ読んで立ち止まらない」ということです。具体的に英文をみながら説明しますね。
こんな頭の働かせ方をします。
And it is clear that…
「どうせこのitは後ろに何か出てくることを表しているから、とりあえず読み進めよう。is clrea thatだから、『明らかなことがあって、that以下に明らかになっていることが出てくるな』そしてこれは筆者の主張を述べてるな」
this second dimension of the problem, which
この2番目の側面、問題の側面について何か言いたいんだな。でも、次にカンマwhichが出てきた。多分、挿入か、関係代名詞の非制限用法だから、気にせずにthis second dimension of the problemを受ける動詞が出てくるまで読み進めてみよう。
which does not coincide with the first but in large measure conditions it, can be investigated historically
長いな〜、which does not coincide with the first but in large measure conditions it, can be 「あ、ここでcan beが出てきたから動詞が来るぞ。『問題の2番目の側面』はcan be investigated historically、つまり『歴史的に調査されることが可能だ』と言ってるのか。
by examining the memoirs and
まだ、続くの?by examiningのby -ingは「〜することによって」で『記憶を精査することによって』でも、記憶を精査するというのはおかしいので、これは『回顧録』という意味だな。そうか、『回顧録を精査することによって』となるから、『問題の2番目の側面は回顧録を精査することによって歴史的に調査されることが可能だということが明らかである』という意味なのね。
andがあるから、『回顧録』ほかにも精査するものが出てくるな。
the archeological finds constituting the traces that every past society has left behind.
the archeologicalって何だ?alという語尾は「形容詞語尾だから、次は名詞のはず」
findsって動詞じゃん?次はどうなってるの?
constituting、ingが突然出てきたし、どうなってるの???
あ、そうか 冠詞+形容詞+名詞となっていて名詞の後ろにing形(現在分詞)が来て名詞を修飾しているという読みにすればいいんだ。
ということはfindsは動詞じゃなくて「名詞」?念のために辞書を調べておくと、やった、名詞があった。「発見」「掘り出し物」という意味なんだ。
ということは『考古学的な発見』というものがどんなものかconstituting the tracesが説明しているわけね。え、the tracesの後ろにthatが来てるの?ややこしいなぁ。でも、これは名詞の後ろに関係詞がくるパターンね。tracesをthat以下で説明しているから、とりあえずここまで意味を考えておくことにしよう。
the archeological findsが『考古学的な発見』で、それがどんなものかというと『痕跡を構成している』ものなんだ。ということは、『痕跡を構成している、回顧録や考古学的な発見を精査することで、第二の問題の側面は歴史的に調査できることが明らかだ』となる。
で、残ったところはthat every past society has left behindだから、どんな痕跡かというと、every past society『全ての過去の社会』がhas left behind『残してきてしまっている』痕跡のことね。
あ、挿入のところの意味、確認するのを忘れてた。でも、文全体の内容はつかめたから大丈夫そう。
which does not coincide with the first but in large measure conditions it
なるほど、第二の側面というのは、 does not coincide with一致しないのか。何に一致しないのかというと、the first but in large measure conditions it、第一の側面と一致していないけど、大部分では特徴付けることになるのか、なるほど。そういうことなのね。
つまり、文法にこだわって読む練習をしてくれば、最終的には文を見たとき、形から判断をして読むことができるようになります。上記の説明で、ほとんど文法用語を使わずに説明をしましたが、それは文法を知らなくてよいということではなく、文法というツールが使えるようになると、次にどんな形が出てくるか予測が働き、長い英文でもきちんと読むことができるようになるのです。そのためにはまずは構造をしっかり把握するトレーニングが必要です。
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