看護師がするセラピストという仕事

看護師からセラピストへ―私の経験とアロマへの想い

私は、新卒から名古屋の日赤病院の整形形成外科病棟に配属され、4年間看護師として勤務しました。慣れない業務に必死だった日々でしたが、その頃の自分には少しだけ自信もあり、一緒に乗り越えてくれた仲間たちのことを懐かしく思い出します。今振り返ると、この経験が私を大きく成長させ、看護への情熱を育んでくれたと感じています。

その後、結婚・出産を経て、6年間、薪を使うような田舎で生活を送りました。自然に囲まれ、社会から少し離れて過ごしたこの時間は、家族との絆を深め、自分自身を見つめ直す貴重な機会となりました。子どもが3人に増え、家族とともに過ごす日々は、私の心に豊かな学びをもたらしてくれました。しかし、離婚を経て新しい生活をスタートさせることに。

看護師として復職したとき、高齢者介護の現場が思い浮かびました。介護の現場では人手不足が深刻で、再就職には困りませんでしたが、「どうすれば健康寿命を自分らしく全うできる支援ができるのか」という課題が私の心に常にありました。

私が看護の仕事の中で特に好きだったのは、日常ケアです。例えば、洗髪で気分がすっきりしたり、シーツを交換して快適な眠りをサポートすること。痛みを抱える患者さんへのマッサージや、不安を抱えた方の話を傾聴することなど、小さなケアが誰かの笑顔に繋がる瞬間は、何物にも代えがたいものでした。

アロマとの出会いが私を変えた理由

そんな私が出会ったのがアロマセラピーでした。精油の香りが人の心を癒し、疲れを取り、リフレッシュさせる――その効果を目の当たりにしたとき、アロマの可能性に深く感銘を受けました。さらに、アロマセラピーの魅力は、施術者自身も癒されるという点にあります。これは、従来の看護の「与えるだけ」のケアとは異なり、施術者とクライアントが共に癒しのプロセスを共有するという新しい関係性をもたらします。

このような相互作用の中で、エネルギーの循環が生まれ、施術者もクライアントも心身の調和を取り戻していけるのです。私はこの「癒しの循環」こそが、看護とは異なるセラピーの最大の魅力だと感じています。

勤務する施設では、実際にアロマを取り入れた腹部マッサージやリンパケアを行い、多くの方が便秘解消や浮腫、疼痛の軽減に効果を実感してくださいました。

精油の力と自然療法への想い

私は精油を「自然の力が凝縮された薬」と考えています。神経を鈍らせるような薬や自然のサイクルを乱すような治療が苦手な私にとって、アロマは自分に合った治療法です。もちろん、鎮痛剤のような即効性のある薬が必要な場面もありますが、慢性的な痛みや不調に対しては、少しずつ身体を整えながら癒すアロマのアプローチにこそ意味があると思っています。

精油は使い方や量に注意が必要で、メリットもあればデメリットもあります。それでも、香りの力を楽しみながら、自分をケアする喜びがそこにあるのです。

アロマは、HSPや感覚過敏を持つ方にもおすすめです。普段から自分の身体や心の状態を意識することは難しいですが、身体のサインに気づき、自分で調整する力を高めることが大切です。これは、漢方の「未病」という概念とも通じます。アロマセラピーは、まさにそのような「予防と自覚」のプロセスをサポートするものだと私は考えています。

自分を見つめ、共に癒される喜びを

私はこれからもアロマセラピーを通じて、施術者自身も癒されながら、クライアントが自己理解を深め、自らの力でバランスを整えていけるようなサポートを目指します。看護師として培った経験を土台に、人と人との関係性を大切にしたセラピーを提供していきたい――それが私の願いです。

一緒に心と身体を整え、よりよい自分に出会う旅を始めてみませんか?


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