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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第403回 「発達障害の情報が見つからない!『発達障害の本』ってどうやって探せばいいの !?」ってお話

登場人物

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本文

[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] 涼しくなってきたからか体調も安定してきました。まぁ、めちゃくちゃ遅れている仕事のリカバリのために必死ですけど…。

[寺] めちゃくちゃ遅れてるんですね…。取った仕事はやらないと仕方ないですけど、計画的に無理してください。

[く] 一文の中での矛盾がすごい(笑)寺島さんは体調の方は大丈夫なんですか?

[寺] 涼しくなったら痛みが治まってきたので、今は遅れている仕事のために頑張っている最中です。まだ検査の日程が11月まで残っているので結果は聞いてないんですけど…。

[く] 月またぎで検査ですか、お疲れさまです…。

[寺] それはさておき、待合室で暇だったので、ダ・ヴィンチWebの試し読みで「つわりが辛いよ」というエッセイ漫画を読んでいたんですよ。その中に「つわりになってから光を見ると気持ち悪くなる」という症例が出てきたんです。


[く] 光過敏のものでしょうかね?

[寺] あ、やっぱりそれ連想します?その漫画ではテレビ・スマホはおろか照明もダメで、日中はアイマスクをつけて夜は月明かりで漫画を読んでいたというエピソードが描かれてました。これを読んで、私も息子がお腹にいた頃は光の過敏がひどくなったことがあったことを思い出しました。ただ、普段からやや光過敏があるので忘れていたんですけど(笑)

[く] 笑い事なのかわからないんですが…。ただ、つわりの時に発達障害でよく現れる光過敏が発生すると言うのは不思議ですね。なにか関連性があるんでしょうか?

[寺] それなんですよ!でも、妊娠中の女性の脳や体の変化は実は研究がほとんど進んでいない分野なんです。X線やCTなどが使えませんし、男性の研究者はあまり興味を持たないですからね。

[く] NHKで女性の医者が少ないことが女性の命を危険にさらしているみたいなことをやっていましたけどまんまその話ですね。

[寺] それは本当そうですよね。でも、発達障害で出る症状とつわりの時に出る症状が似ていることが二点計測ができればどういうメカニズムで起こっているかわかるかもしれませんよ。 というか、つわりを起こしている女性の身体には神経的な何かのバグが起こっているんではないでしょうか?それが発達障害の光過敏と同源っていう可能性もありますよね。

[く] 現状では様々な制約もありますのでなかなか難しいとは思いますがこの先研究が進んでいくと良いかもしれませんね…。個人的にはコロナ後遺症の症状とされているものが発達障害でよく見られる症状であることが気になっているんですが…。

[寺] 脳や神経のほうに何かのエラーが発生しているのかもしれませんね。明らかになるには長い時間が必要かもしれませんが、コロナに罹患した人は多いので、ぜひ早急に研究を進めて欲しい分野だと思います。やがてはそれが発達障害やつわりで苦しむ人をも救うかもしれませんし。 

[く] そういう話を聞くとまだまだ医学も発展途上なんだと思いますね。その中で発達障害当事者としてもどのような情報を得ていくかはすごく大事なことになると思うんですが…。その辺のノウハウみたいなものはあんまり共有されていないですかね?

[寺] 発達障害をどう克服していくかというノウハウ?

[く] どうやって正しい情報を得るかというノウハウ…ですかね。発達障害と一言で言っても出てくる症状は皆さんで違いますし、一般的には医療で規定できる範囲より広い範囲を指して言われていることも多いと思うんです。その中で当事者が自分に必要な情報を探すのは本当に大変です。

[寺] あー、それは確かに。Twitterとかも見ていると多くの人が「情報がないない」って言ってるんですけど、自分と全く同じケースを探しているからなかなか見つからないというのはありますよね。

[く] それはありますね。ボク自身もいわゆる発達本にはなかなかピンとくるものがなかったんですが、自分と年齢が近くて、ライターで、奥さんに精神障害があって、自分も高機能障害になったという人のエッセイを読んで初めて共感を覚えたということがあります。

[寺] 鈴木大介さんの「されど、愛しきお妻様」ですね。読んだ当時すごい語っていたのを覚えてますよ(笑)

[く] まず自分と似ているかを入り口にする人は多いと思いますよ。そうなると、発達障害は現れ方もかなりばらつきがあるし、クラスタでなるという病でもないから当事者のパーソナリティーもばらばらなので「参考にならない」と思ってしまうことも多いのかもしれません。

[寺] そういえば、なんか新発見みたいに「こんなこと自分あるんですけど、誰か同じような症状の人いませんか?」って話がSNSで定期的に回ってくるんですけど、それLITALICOとかで私が書いたことがあるネタだなーと思うことが結構あるんです。もちろんもっと届けなきゃとは思うんですけど…。ただ、この手の話はLITALICOのようなひとつの会社が作っているサイトではなく、検索すれば政府広報オンラインやウィキペディアなどでも出てくるはずですし、どこで知識を得ようとしているのかなと気になってるところですね。 

[く] 寺島さんが描いているLITALICO発達ナビはメインターゲットというか、フォーカスを当てている部分は発達障害のあるお子さんのいるお母さんですよね。そのクラスタだとかなり情報があるんですか?

[寺] 2000年ぐらいまでは「発達障害は子どものもの、大人になると治る」と言われていましたから、子どもを持つ親御さんをメインターゲットにした情報サイトは比較的早い時期から成長してきたと思います。そこからだんだん大人の発達障害にも伸びてきた印象ですね。LITALICO発達ナビにも仕事ナビ、ワークス、キャリアなどの大人向けの姉妹サイトがありますよ。

[く] それでもなかなか必要な情報にたどり着けないということは、まだまだ検索上位に出てくるには少ないという感じなんでしょうか。 

[寺] あまり商売っ気のないところが多いですからね。検索対策とかあんまりやってないのかも。あとやはり入り口の見た目ってあると思います。文字がぎっしりの医療系サイトとか、いかにも悩めるお母さんいらっしゃ~いなパステルカラーのサイト、障害者の笑顔満載の写真のスライドがバンバン入れ替わってキャリアアップを応援します!みたいなサイトは、基礎的な情報を欲しい大人の当事者の方には「あっ、違う」と感じさせてしまうのではないかな…と。

[く] 実際入り口は相当印象に影響しますよ。

[寺] ですよね。ある意味差別化に成功しているともいえるんですが、少し下の階層に降りると情報アーカイブズがあることも多いので回れ右は勿体ないです…。LITALICO発達ナビの基調コラムとかを読んで欲しいですね。私がイラストを描いているんだ(笑)

[く] 宣伝入りました(笑) でもまぁ、発達障害の大人向けとなると親御さん向けのように豊富な事例の情報ってないですよね。

[寺] ブログやnoteを巡れば数はあるとは思いますよ。でも、読みやすくまとめてくれて、内容をある程度担保してくれているものとなると少ないかもしれませんね。みんなTwitterとか掲示板とかで情報を得ているのかな?否定はしませんが地雷原で油田を探すようなものだと思うんですけど…。

[く] 的確な表現ですね(笑)まぁ、そのうちAIがうまくまとめて教えてくれるかもしれませんが。

[寺] そこでAIですか(笑) まぁ、その信憑性も今のところは難しいと思いますね。将来的には期待したいところですけど。 

[く] Twitterとかあちこちで発達障害に関する議論はありますよね。ただ、「発達障害に関する共通のテキスト」をみんなが共有しているわけでもないので同じ言葉を使っていてもその言葉の意味するところが全然違うようなこともありますよね。 

[寺] 「言葉の定義をあんまり重視しない 」と堂々というくらげさんがそれを言いますか(笑)いや、実際そういうところは散見されますが。

[く] ある程度大きな趣味や学術的なクラスタとかだと 「この本を読んでないやつがモグリ」みたいなテキストとかあったりするじゃないですか。発達障害だとなかなかそういうテキストがないかなというか、「発達障害」といっても非常に広い括りなので「とりあえずこれを読んでおけ 」というのはないかなぁ…と。とにかく「発達障害に関する資料を選ぶ 」というだけで本当に大変です。

[寺] 発達障害に関する知識があっても、「この本がオススメ」といえる自信がある人はそんなにいないと思いますよ。「自分にとって良い本」と「相手にとって読みやすい本」も違いますし。

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「ボクの彼女は発達障害」のくらげと寺島ヒロが再タッグ!発達障害あるあるネタをイラスト付きでお楽しみください!

妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。