くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第362回 「最良の時期を想定して計画を立ててはいけない？時間を無駄にしない物の片付け方って？」ってお話

登場人物

過去記事マガジンも作ってます

本文

 ［く］　こんばんは。くらげです。
 
［寺］　こんばんは。寺島です。

［く］　今回は、まず寺島さんから告知があるということですが…。

［寺］　はい！10月中旬に合同出版さんより私がコミカライズさせていただいた「ぼくは不眠症。:眠れる夜を迎えるまでの20年」という本が出ます！

ぼくは不眠症。: 眠れる夜を迎えるまでの20年

小学生の頃から睡眠障害に苦しみ、今は睡眠コンサルタントとして活躍中の土井貴仁さんの体験談を元に私が漫画として再構成した作品です。

［く］　コミカライズというと、「ボクの彼女は発達障害」の寺島さんのパートみたいな感じでしょうか？

［寺］　大体あってます。「ボクの…」の時は、くらげさんのテキスト原稿のうち、漫画にした方がわかりやすい部分、全体の半分ほどマンガにしましたが、今回はほとんど全編マンガです。テキストでの説明にあたる部分がないので、全てマンガの中で説明しないといけないのですが、これが難しくてねえ…正確にやろうとすると四角の中に文字がぎっしりというよくあるダメな企業CM漫画みたいになっちゃうので大変でした。結局、5年も抱え込んでました。

［く］　5年はひどい（笑）完璧主義のASDらしいエピソードと言えるかもしれません。

［寺］　まあその甲斐あってなのかネームは大体一発でOKでしたよ。漫画としても面白い感じに仕上がってると思うので、睡眠の仕組みとか不眠症に興味のある方はぜひご一読ください！ちなみに認知行動療法で著名な岡島義先生の監修です。

［く］　お疲れ様でした。さて、もう９月も終わりですが、なんでこんなに時間がないのか、というくらいに時間がないですね。
 
［寺］　いや、時間はみんな１日２４時間平等に与えられていますよ？時間の使い方が下手なだけでは…。
 
［く］　まぁ、無気力状態が長く続いてて、本を読んだりちょこちょこゲームしたりしていたので不思議でもないのですが…。あ、色んなイベントに顔をだしていたのもありましたね。
 
［寺］　不思議でもなんでもないじゃないですか…。私も今月は娘の用事でかなり外出する用事が入っていたので時間がかつかつです。お母さん業からはまだまだ卒業できそうにないですわー。
 
［く］　スクーリングや職業体験に行くので送迎していると言ってましたね。娘さんは今高1でしたっけ？

［寺］　高2になりました。来年の今頃にはもうセンター試験を受けるかどうかって言ってるはずですよ、はええ〜…！

［く］　もう受験のこともあるのか。お母さん業は本当に大変そうですね。あと、4月〜7月あたりの好調はそういう「余裕」を完全に切り捨てた上でトップスピードでやりまくっていて、今、その反動で灰になってるなあ、と思っています。
 
［寺］　あ、やっと「トップスピードで動きすぎるとあとから燃え尽きる」という感覚を覚えたんですね？前々からアドレナリン頼みの仕事はポイントだけにしろって口を酸っぱくして言ってたの、やっと実感しましたか。というか、これまで「燃え尽きる」という感覚はなかったんですか？
 
［く］　なかったですね。記録というか日記というか、1日なにやった、というメモがあるんですけど、これを比較するするといわゆる調子のいい時期は土日祝日でも「余暇」にあたる部分をメモしてないので「あ、詰め込みすぎってこういうことか…」と思いました。
 
［寺］　気づいてよかったです。これからは「仕事の量・質の維持」と「余暇のバランス」をちゃんと考えていきましょうね。
 
［く］　まぁ、本当にそうなんですけど…。トップスピードでやってるときの経済状況を基準に生活費を算出しちゃってたので、そこをまた再調整しないとですねぇ…。ちゃんと組み立て直さないと毎月赤字に突入します…。
 
［寺］　えー！？「調子のいい時期」を基準に物事を組み立てるなとあれほど…！いいですか、ひとには「調子のいい時期」と「そうでない時期」があって、特にくらげさんはADHDの絡みもあってオン・オフがとても激しい人なんです。調子が良いときに「このペースでいける」と用事を詰め込んで破綻するって、あるあるなんですよ。くらげさんは覚えていないでしょうけどこれまでも無数にありましたよ。

［く］　そうですか。あったような気もしますが、計画を立てるということをする時って調子のいい時なので気づけないんですよね。

［寺］　それはまあ、わからなくもないです（笑）よく漫画家界隈でも言ってますが、1番最短でできた時のことを考えて「まだ間に合う」って思っちゃうのはADHDとかASDのみならず人のサガみたいなもんですよ…。でもそういうある種の慢心がないとすぐ自信がなくなって諦めちゃったりすると思うし、難しいところではありますよね。

［く］　自分の体と心をうまく操縦しろということですかね。しかし、それができたら…（笑）

［寺］　全くその通りではあるのですが、気をつけないと同じことの繰り返しですよ。今回はちゃんとメモをつけたことで視覚的に気づけたようなので良かったのですね。気まま営業を続けていくと、信用を失っていく一方なので、本当に。
 
［く］　1日の作業メモをこまめに振り返って調整していくしかないですねぇ。ただ、結構前の時間の使い方のメモとか出てきたんですけど、「忘れ物・探し物」に費やしている時間が割りと半端ないですね。
 
［寺］　あー！探しもので1日が終わるというのはADHDあるあるですね。それは本当に無駄な時間ですよ。忘れ物は以前あおさんにチェックしてもらうなどの対策を語ってましたが、自分で何か気をつけていることとか、工夫とかありますか？
 
［く］　忘れ物と無くし物はリンクしてまして、やはり失くすと持っていけませんから、まずは失くし物対策ですね。一番大きいのはスマホをiPhoneに変えて、エアタグを鍵や財布、薬入れや書類ケースに入れまくりました。エアタグはタグがある位置を教えてくれるタグで、かなり精度が高い上、例えば財布や家の鍵から離れると通知で教えてくれたりするので「貴重なものの置き忘れ」はほぼ根絶しました。少なくとも財布がない、家の鍵がない、というときに「うちの中にある」ということがわかるだけでも安心感が半端ないです。まぁ、その先、部屋の中で大捜索、というのは変わらなかったりするのですが…。
 
［寺］　うわあ！お大尽アタックだあ！お高いでしょう？（笑）
 
［く］　そうですねぇ。iPhone自体の価格が高騰してますし、エアタグも4個で13000円くらいします。決して安くはない…というか高いです。似たようなものとしてTileもありますが、こちらも1個3000円からなので似たようなもんですね。まぁ、時間とストレスとその価格の釣り合いみたいなところでいうと完全に得なのですが、すぐに買える人ばかりでもないのも事実ですね。
 
［寺］　くらげさんは貯金がないのはそういうものに浪費しているから、というのはありますよね（笑）いや、エアタグは浪費に入らないかもしれませんけど。くらげさんは「浪費する時間とその物を紛失した時の値段」と釣り合いが取れてると言いますが、自分の収入との釣り合いはどうですかねえ（笑）