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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第356回 「発達障害者のお金の困りどころを『KAERUカード』で解決するとすればどんな可能性があるの?」ってお話

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(特別号につき全文無料公開となります)

[く] さて、前半では「KAERU」とはどういうアプリで高齢者になぜ必要なのかということをゲストの大野さんに語っていただきました。後半は発達障害者と金銭管理についてちょっと考えていきたいと思います。

[寺] KAERUは今のところは高齢者に特化したアプリですが、発達障害のある人も金銭管理では様々な問題を抱えてることが多いと思うんです。大野さんもKAERUには高齢者向けという枠を超えた構想をお持ちのようですので、この鼎談から何か開発の参考になるようなことが得られて、その結果我々にも都合の良いサービスに育てば嬉しいなあということです(笑) では、後半もよろしくお願いします!

[大] よろしくお願いします(笑)子育てをしていると、子どもの不得意なことを無理に伸ばそうとするよりも、得意なことを見つけたり、好きなことに挑戦できる環境を用意してあげたいなと思うことがあります。もちろん必要最低限覚えた方がいいこともあって、うちの子は児童発達支援にとてもお世話になっていますが、研究や技術の進歩で最低限の基準も変わってきているので、これからも頼れるサービスや機械がたくさん登場してきてほしいですね。KAERUの金銭管理サービスも、多くの人に頼ってもらえるようになりたいと思っていて、発達障害者の方々の困りごとにもしっかり対応していきたいと考えています。

[く] 自慢ではないですが毎日が綱渡りですよ!

[寺] 威張って言わないでください(笑)いや、私の家の家計も綱渡りなんですけど!

[大] 「金銭管理が難しい」とは具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。

[く] 一般的に言えば、お金の管理って「入ってくるお金の管理」と「出ていくお金の管理」があると思うんですよ。入ってくるお金を大きくすることと、出ていく金を減らせばまぁ家計は楽になると思うんですが…。

[寺] 残していくにはその両輪が必要ですよね。しかし、今の日本の状況ではなかなか入ってくるお金を増やすというのは難しくないですか?特に何らかの障害がある人の場合、昇給のある仕事に就いていないとか、ダブルワークをしようにも体力がついていかないとか、頑張りだけではどうにもならないケースも多いと思います。

[く] ボクも頑張ってもこのくらいという程度が見えていますね。もちろん起業したりして成功している発達障害者もいますけど稀ですよね。

[寺] 外れ値(笑)

[く] 目指すと怪我しますね(笑) 収入は増えない、なのに金銭管理が下手で生活が苦しいという発達障害者にフォーカスするなら「出費を抑える」ことになると思うんですよ。

[寺] くらげ家は出費が凄そうですよね。何かしようかというたびに、まず何か買うという癖がついてますもん。「キャンプに行こうと思ってるんですよ」と言うから、「へえ、いつですか?どちらに?」と聞くと、「その辺はおいおい。とりあえずキャンプセット買いました。チェアーも買おうか迷ってるんです」とか言うんですよ。で、実際に計画を立て始めると旅先であれこれするのが面倒になって、結局休暇村に泊まったりとか...。

[く] そんなこともありましたか...?(笑) 正直、あとから「なんでこんなに金を使ったんだ?」と不思議に感じることがとても多いです。

[大] 家計簿などを付けたりはしないんですか?

[く] 一応、毎月の収支計画は1日単位で作ったりはするんですが、前回も言った通り「1日あたり少しずつの超過した分」が30日分も重なるとだいぶ大きな額になってしまうんですね。この「ちょっとした分」が整理しにくいというのはとても問題があると思います。

[大] KAERUでは想定よりお金を使いすぎてしまったらしばらくお買い物ができなくなるので、驚くほどの出費は予防できると思います。でも本当に必要なお買い物ができなくなると生活に影響が出るので、「ちょっとした分」とうまく付き合っていけるサポートがあるといいのかなと聞いていて思いました。

[寺] その「ちょっとした分の超過」が重なって問題が起きるというのは、私も他人ごとではありません。家族がいれば「ちょっと今月使いすぎじゃない?」とかお互いに教えあって「あ、そうなんだ」と気づくこともできると思うんですけど、お互いに「まあいいかな」という額だとついついスルーしちゃうんですよね。KAERUのような1日あたりの上限額が見えるというアプリは、そういう「ちょっとした分の超過」が多い人には強い味方になりそうですね。

[く] そうですね。うちはあおからいろいろ突っ込まれるのでこれでもマシになった方で、一人暮らしの時のお金の使い方を振り返ると本当に無茶というか無理というか…。いろんな人に迷惑かけることになってしまったので「自分は一人暮らししていけない人間だな」と思っています。実際にはKAERUを必要とするユーザーど真ん中なんじゃないでしょうか(笑)

[寺] いや、笑えませんからね(笑)

[大] 一人暮らしができている人でも、自炊できなくて毎日外食したり、掃除が苦手だから家事代行サービスを利用したりといろんなサービスに頼っていたりするので、いずれは金銭管理も頼るのが当たり前になってほしいですね。

[寺] それは本当にそう!公的な福祉やサービスでも、決済と契約に関することは「自分で考えてやってください」となりがちなんですよ。でもそこに障害がある場合はどうしたらいいんだ...ってなりますよね。人は騙すかもしれないと思うと、それこそAIとか、システムで助けてもらいたい分野だと思うんです。あ、くらげさんは、本当に迷惑をかけながら死にそうなのであおさんと1日でも長く生きてくださいね。

[く] どういう激励ですか(笑)

[大] 最初から上手に「お金を管理する」ってなかなか難しいですね。たとえば、使いすぎてしまった日があっても一週間や一ヶ月でリカバリできればいいので、一人ひとりのお金の使い方に合わせた日々のやりくりをKAERUがお手伝いできると良さそうですね。

[く] 失敗しないと覚えないことというのもたくさんありますからね…。ところで、これまでボクのお金の問題を話していましたが、寺島さんについてはどうでしょうか?

[寺] まず収入が低いということが大問題ですが、ちょっと論旨がずれるのでこれは置いておきましょう。(よいしょっと横に置くしぐさ)支出面でのお金の管理で困ることというと、公共料金の請求書などの「あとから払うもの」について忘れたり、計画ができてなくて困ることが結構あります。

[く] それは河童(旦那)共々忘れるんですかね?

[寺] うちは家計の管理を夫がやっているんですが、ADHDだということもありナチュラルに忘れるみたいなんですよね。私は聞いたら覚えてはいるんですが、そもそも夫が郵便やメールで来た請求書を止めていたり、子どもたちが学校に払わなければいけないお金を前もって私に教えておかなかったりして、直前になって「母さんや、◯◯に必要だからお金をくれ」とか言ってくるわけですよ。

[く] なぜADHDに家計管理を任せるんですか(笑)

[寺] 一番ましだからです!!(笑)

[く] 家族全員が発達障害だからの悩みですね…。知らないことについては予定を立てようもないので大変ですね…。

[寺] 食費などは夫に月の最初に決まった額をもらって、私が買い物に行きます。毎日使うお金は大体一定なので衝動買いや浪費が多いというわけではないのですが、それ以外の家計まで気が回りません。特に私は月をまたぐ計算が苦手ですね…。しょっちゅう足りなくなって飛び込みの仕事受けたりしてます。それがまた確定申告の計算を複雑にしてくれるのですよ...。これが自分のキャリアと健康に良くないことはわかっているのですが、どこで余裕を作ったらいいのか分からなくて...。

[く] どこかで断ち切らないと...!(笑) しかし、お金の計算ってどのくらいのスパンでやったらいいかって意外とわかんないものだと思うんですよ。ボクは最近やっとのことで「1ヶ月単位」で収支を作れるようになったんですけど、それ以上になるとなかなかイメージできないです。

[寺] そうなんですよねぇ…。例えば、固定資産税みたいな年ごとで払わなきゃいけないものとか、引き落としが出来なかった保険料の再引き落としとか「そのうち来る」という出費を一度入力しておけば、ずっと保存しておいてくれるような機能がKAERUにあるととても便利だと思います。月またぎ、年またぎで登録できるとなお良いのですが。

[大] 家計管理をサポートしてくれる家計簿アプリはいくつかありますが、いまお聞きしたような課題に向き合っているサービスはあまり聞かないですね。KAERUはまだ家計簿のように家計をサポートする機能が用意できていないですが、お二人の困りごとをヒアリングさせてもらえたので、社内に持ち帰って検討していきます!

[く] あとはよく聞くのは「そもそもお金というもののイメージができない」ということでしょうか?

[大] お金のイメージができないとはどういうことでしょうか?

[く] もちろん「1万円は1万円の価値」があるわけですけど、その「1万円」で何が買えるかというのが今一つしっくりきてないというか…。感覚的な問題でしょうかね?

[寺] これは今までも何度か私たちのnoteで取り上げているんですが、1万円という数字が数字でしかない、紙の上で計算することはできるけど、交換財としての価値が理解できてないんです。くらげさんだけではなく、結構発達障害のある人にはいるみたいなんですよ。

[く] そうですね。お金というものの中で「これくらい使っても大丈夫」という重みのようなものが完璧にないのかもしれません。

[寺] この説明で良いのか自信ないんですけど...芸術品の価値は分からないっておっしゃる方多いじゃないですか?業界内の人は作品を見れば直感的に「これぐらいからスタートだな」って分かるけど、全くその業界でない人には見当もつかないですよね。それが日々の買い物でも起こるんです。昼ごはんのカレーライス2000円が自分にとって高いのか安いのかが直感的にわからないみたいな。

[く] そのものの価値がどうかより、払えればいいと考えるところはありますね。

[寺] こういうのは認知の問題も関わるので、本人の手元の工夫だけではなかなか難しい部分かと思うんですよね。では、いつも控えめに使えばいいのかというと、金額が大きいからと必要なことなのに出せなかったりして、人生誤る場合もあります。優先順位がバグってるわけです。

[く] ボクも家計簿がなかったらまぁ本当にどのくらい金が飛んでるか分かったものでもないんですが…。

[大] 家計簿は「家計を把握するため」「お金を貯めるため」というイメージが大きいのですが、家計を把握することで「安心して欲しいものにお金を使える」という側面もあるので、家計状況が分からないと暗闇の中を全力で走り抜けるような不安がありそうですね...。

[く] いつも「お金がない」と考え続けるのもストレスなんですよね。

[寺] くらげさんのような人には、ある程度型にはめるというか、「制限」をつけた方がいいんじゃないかなあ。KAERUさん、早くADHDの人を分析してアプリを対応させてください!

[大] 頑張ります!「制限」と聞くとネガティブに感じてしまうこともありそうなので、本人の目的にあわせて今回だけはお金を使えたり、時には我慢して貯金に回したりと、気持ちに寄り添っていきたいですね。実現するにはどうすればいいのかはこれからですが(笑)いずれにせよ、困りごとの形やお金の重みって人それぞれ違っていて、中にはサービスが合わない人もいると思いますが、なるべく多くの人達の困りごとを解決できるように、いろんな人達の声を集めていきます。

[く] がんばってください!でもまぁ、重み付けの話になると円グラフとかで使ったりしてお金を分かりやすく表示して欲しいですね。

[寺] いま、いくら使っていてこの先どれくらい使っていいんだ、みたいなグラフでしょうか?

[く] 基本はそうですね。

[大] いまこの瞬間の1万円がどれほどの重みなのか分かるように表現して、制限するにしても本人が納得できるように伝えられると良さそうですね。

[寺] お金を使いすぎると「この先、こういう支払いがあるから今使うと支払えなくなるぞ」みたいなアラートが出るような機能も欲しいです!私のために!(笑)

[大] 本屋さんに行くと家計簿が売られているのをよく見ます。家計簿は便利な道具ですけど、毎日記録したり残りのお金を把握してお買い物する必要がありますね。それらができる人ならいいですが、できない人は家計簿を続けられなくて、お金に苦労している人は少なくないと思います。いろんな人がいる社会だから、いろんな家計管理の方法があると良くて、KAERUがそういった方法の一つになって、一人でも多くの人をHappyにできたらいいなと思います。困りごとの形に合わせてサービスの形も整えていく必要があるので、これからもいろんな人の声を集めてKAERUを改善していきます。お金は誰しもが手にするものなので、すこしでもお金と仲良くなって、毎日のお買い物を楽しんでもらいたいなと思います。

[く] お金と仲良くなりたいといつも思ってはいるんですけどねえ(笑) これからのKAERUに期待しています!ではそろそろお時間でしょうか。大野さん、ありがとうございました!

[寺] とても未来を感じるお話を聞けて楽しかったです。本当にありがとうございました。下にKAERUさんのサイトへのリンクも貼っておきますので、興味のある方はぜひ訪れてみて下さいね!ご感想などもお待ちしています。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。