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少子化を実感した日

昨年4月に息子が生まれて、初めて赤ちゃん中心の生活を送ることとなった私は、身の回りのあまりの赤ちゃんの多さに驚いた。
スーパーにもコンビニにも赤ちゃん。商業施設に行けば右も左もベビーカー。電車のベビーカー・車いす優先エリアは譲り合って使うことがほとんどだし、所謂支援センター的なところは予約が取れない日も多い。

なんだ。少子化と言いつつ、実際は赤ちゃんたくさん生まれてるじゃないか。

そんなことを呑気にぼんやり考えていた私が、身をもって少子化を実感した日のことを書きたい。

親戚の用事でとある地方に行った日のことだ。
初めての子連れ1泊旅行にドキドキしながら、大量の荷物をベビーカーに積み込み、新幹線に乗った。
地方とはいえ、用事があるのは新幹線が止まる駅だったので、まあベビーカーがあっても(施設やバリアフリー的な意味で)なんとかはなるだろう…と考えていた。

1日目(金曜日)は夕方に到着し、2日目(土曜日)は朝から親戚の用事を済ませた。そして、早めに駅に戻り、新幹線の時間まで駅の近くで過ごすことにした。
ベビールームでオムツを変えたり離乳食をあげたり、息子がいい子にしていてくれたこともあり、ほとんど問題なく全行程を終えることができた。

帰りの新幹線を待っていたときのこと。私と夫は同じ違和感を口にした。
「そういえば子ども、いなくない…?」

そう、子どもがいなかったのだ。いない、というのは極端な表現かもしれないが、自分たちが日ごろ生活しているエリアと比べると、俄然少ない印象を受けた。
帰りの新幹線に小さい子や赤ちゃんは乗っていたのだが、そこに住んでいるであろう子どもは数えるほどしかいなかったように思う。

駅と直結している施設で、週末にも関わらず、子連れランチをしているママ友たちや、買い物に来ている家族はいなかった。

そして、バリアフリーも十分ではなかった。突然数段だけの階段が現れたり、エレベーターが極端に少なかったり。これはベビーカー云々というわけではなく、車いすや脚の不自由な方、旅行でたくさんの荷物を抱えた方にとってもかなり不便だと感じた。

なるほど。こうして若者は便利な場所に、子育て世帯は子育てしやすい場所に移り住むわけか、と何年も前から言われている当たり前のことが、急に腑に落ちてしまった。
同時に、今住んでいるところは子育てしやすいようにたくさんお金と人員を費やしてくれていることに気づき、と感謝の気持ちが沸き上がった。

たまたま今回行った場所だけ、行った日だけ、子どもがいなかっただけかもしれない。でも、最近また別の地方に行ったときも同じことを感じた。
子連れの友人にこの話をしてみたところ、強く共感してくれた。どうやらこの体験はただの偶然ではなさそうだ。

そんな少子化を実感した数日後のこと、知り合いの保育士さん(2児のママ)から「保育園落ちた」と聞かされた。どうなってるの日本。

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