2022年6月14日(火)ラグビーの考え方の日本と新西蘭の違い

昨日から『中村敏雄著作集別巻』(友添秀則編、創文企画)を読み始める。中村敏雄といえば、「オフサイドはなぜ反則か」や「メンバーチェンジの思想」の著書で知られる運動体育・スポーツ文化の研究者だ。明治大学教授の中村雄二郎との「文化装置としてのスポーツ」と題する1988年の対談で面白い箇所を発見。「たとえば、つい最近、問題になりましたが……一方の(ラグビー)チームにニュージーランドの選手が2,3人名入っていて、ボールが倒れた人間のあいだにあるとき、彼らは習慣から言えば、そこに転がっている選手は石ころ同然だから踏んでも蹴ってもいいようにプレイした……日本の場合は、自国内的フェアプレイ解釈で、人間を踏んだり蹴ったりしてはいけない……」だと。これがトラブルの原因となり、九州で行われた試合が中止になったという。フットボールのオフサイドの考え方が根底にあるニュージーランドに対してあくまで輸入文化(ものまね文化)として明治期に突貫で取り入れた日本はこれに驚いたというわけですね。かなり昔の対談で今では多少海外も考え方は変わっていそうだがこのような認識の違い(歴史)があることは興味深い。

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