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ユリの話

もったいぶっていた ユリの話です。
(単に、課題図書読破に時間がかかっています。現在進行形)
香りもよく、花持ちも長く(冬場なら1ヶ月は楽しめると思います)コスパがいいから「暮らしの花」に…◎


ユリは北半球原産ですが、ユリの、“虫や鳥ではなく人間に増やしてもらおう“という巧みな戦略により 人間に気に入られ…今ではニュージーランドやチリなど美味しいワインの産地でユリの球根がよく育ち、その球根は世界中で流通しています。

「カサブランカ」という品種名は 皆さんご存知ではないでしょうか。
カサブランカの球根は輸入ですが、元々 日本のユリの原種数種の交配種なのです。
日本原産のカノコユリやヤマユリがヨーロッパへ渡り 品種改良されて「オリエンタルリリー」として人気の花になっています。
日本のユリの球根は、1868年以降 西洋への人気輸出品だったのですが、1980年代後半から90年代初めに「カサブランカ」ブームで球根輸入が必要になったのです。

モンテニュー


白い大輪のユリを全て「カサブランカ」と思っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、カサブランカは下向きに咲き 扱いにくいので花屋さんは別の品種を取り揃えています。
「シベリア」「モンテニュー」「ザンベジ」「プレミアムブロンド」「アステリアン」などなど…花が上向きで 花弁もカサブランカよりしっかりした純白の品種がどんどん増えています。

ユリの品種登録数は100超とのこと。特にこの20年で色が豊富になったのと 八重咲品種や花粉のない品種が出ています。

オレンジや黄色の品種が増えています。これは「バルベルデ」


ほとんどの八重咲品種は花粉がないの。『ホワイトトルネード』

ユリの花、花弁は6枚に見えますが3枚です。花弁の外側にある3枚はがく
…では、八重咲の花弁は何?
そうです、雄しべ。だから花粉がないのですね。

この花粉、嫌われものです。服についたり、壁や家具を汚したり…厄介です。
花屋さんでは、咲き始めたらピンセットなどで摘んで取り除いています。

花屋のスタッフは、妙な使命感?から 競って、ユリの花粉が吹いてしまう前に取り除こうとします。見逃して花弁が汚れたりしていると敗北感を抱いてブルーな気分になっていたりするのです。…花屋あるあるです。

だから、花粉がないユリは花卉業界の救世主!(かも)
八重咲は花弁が多く華やかなので人気ですが、その前に 花屋さんが扱いやすいから流通量が増えていると…私は思っています。

このくらいで花粉を取り除けば手も汚れません

もし、花粉が付いたら…擦らず、セロテープなどで貼り付けて取ってみてくださいね。
水洗いしても、汚れが広がるだけでなく落ちなくなります。


アレンジに入れる時は、花を切り分けると使いやすい

念のため…食用の「百合根」もユリの球根部分ですが、園芸用に販売されている球根は いろんなお薬が付いていますので食べられません。お花をお楽しみくださいませ。

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