花仕事の現場より
この話の商品は、花嫁さんのブライダルブーケです。
説明する必要もないですが、人生の大きなイベントでの重要なお花。
Aさんと打合せで要望を詳しく伝え理解してもらえたと思い、挙式当日を楽しみに待つ新婦様…
しかし、Aさんは受注伝票に簡単なメモと ボヤけたイメージ画像コピーを残すだけ。
次にBさんが、受注伝票コピーを下請け会社のCさんに渡す…
Cさんは、Dさんへ伝票を渡し、注文の品を制作するのはDさん。
さて、当日 出来上がっている品物は、Eさんが新婦様の元へお届け。
新婦⇄A→B→C→D→E 登場人物 実際はもう2人くらい入ったりする…多すぎ。
「今ってそうなってるの?」
これで事件が起こらない方が不思議…と感じるのは、昭和な、リゲインのCM世代の働き方しかしてこなかったからなのでしょうか?
担当者が責任を持って一連の流れを担っていました。
ブーケ担当者が新婦と打合せをして花材を特注し、基本的に打合せした人が制作して、当日も美容室へお届け。
新婦⇄A & B
今どきの、仕事の仕方は合理性を求めての仕組みなのでしょうが、これが本当に合理的なのでしょうか?
お客様の『特別な想い』が込められる商品を扱う仕事がフラワービジネスのはず…その想いが軽んじられている気がするのは気の所為でしょうか。
恐ろしいのは、AさんもBさんも花の知識も技術もほとんど無いということ。
制作しないのですから、知識や技術を身につける必要性を感じないのでしょう。
素人が素人に相談している…図です。
作れない人が受注した受注伝票を見て、ブーケ制作のDさんは エスパー的能力を発揮して制作に当たります。(冗談じゃなく、ホント)
制作納品の現場スタッフは、大きな不満を抱えています。…当然ですね。
お客様が一番お気の毒ですが…お届けするEさんも、当日はハラハラドキドキです。クレームを受けるのはEさんですもの。
Cさん、Dさん、Eさん達の方が知識も技術も経験もあるから、なんとか成り立っている現場です。
この有能な人財(ものすごく大事な人材ですから)を手放さないようにしないと…破綻します。
私の感覚的には…時代が大きく変わっていて、仕事の仕方だけでなくブライダルに関する過去の常識はほとんど消えています。
披露宴会場の新郎新婦の座る高砂テーブル席は、仲人さんがいないのでコンパクトなサイズ、テーブル無しのソファーだけっていうのもあるし、ゲストテーブルのお花もカタチがいびつ自由なアレンジメント、倒れてしまいそうなガラス器を沢山並べて水を入れ、大ぶりの花を長く挿す装花、両親贈呈用花束のステム(持ち手)が2倍以上の長さ??
今は、これが普通なんだなぁ…今の、現場に昔の常識は不要です。
品質的に心配なこともあるけれど、今はこれで大きな事件も起こさず(起こっているのかもしれませんが…)やっているのだから、今のやり方に慣れなければいけません。
時代と共にお客様側の価値観も変わっているので、昔の人が大事に感じることとは違うポイントを重視しているのでしょうね。
楽しく、好きなことをする!と決めた残りの人生。
正しさより楽しさ…
組織を管理する仕事ではなく、花の現場作業をしたくてやっている仕事。
組織改革に燃えていた若い時の自分を封印し、寡黙に働いています。週3だけど…
現場より…以上です(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?