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【エッセイ】会社の人間関係によりメンタルが壊れかけたのでカウンセリングを受けた話(2)

前回のお話し

 メンタルクリニックの受診を考え、通えそうなクリニックを探した。
 しかし私は海外在住。
 この国の心療内科の評判は正直あまりよくない。

 調べていると、知人が以前メンタルクリニックの事について
 ツイートしていた。
 彼女に連絡し、この先生を紹介してくれないか?と尋ねた。
 快諾してくれたので先生の連絡先を教えてもらった。

 しかし、私は先生に連絡ができなかったのだ。
 
「メンタルクリニックを受診する」という事が自分の中で
 勇気のいる事だった。
 早く今の状況をなんとかしたい。と頭では思っていても
 実際の行動へ移せない。

 結局今もその先生に連絡できないままでいる。
 知人は「先生には状況を簡単に伝えているので、あなたのタイミングでいいからね。」と
 言ってもらえていた事もあり、申し訳ないと思いつつ
 あまり罪悪感を感じずに済んだのはありがたかった。

 メンタルクリニックに行く決断ができず
 モヤモヤしていた矢先に、
 noteでカウンセリングモニター募集の記事を見つけた。

 カウンセラーさんの文章から
 とても受容的な方で、この方のカウンセリングを受ければ
 元気が出そうな印象を受けた。
 モニター日程を確認すると、ちょうど予定も空いている。
 「お話しさせていただこうかな。」と直感的に感じ、そのまま申し込んだ。
  
 すぐに返信が来て、簡単なヒアリングシートが届いた。
「職場の人間関係」と簡潔に記載して返信した。
 日程調整もテキパキと済ませていただき、カウンセリング当日を安心して迎えられた。

 カウンセリングはZOOMで行った。
 きさくな男性のカウンセラーさんで、おしゃれな印象を受けた。
 話しやすい雰囲気づくりが上手く、こちらも落ち着いてお話ができた。
 私の飛びまくる話を真剣に聞いてくださり、
 メモもしっかり取っておられた。
 話が落ち着けば、都度私の話したことをまとめてくれたので
 自分の中で溢れてバラバラになっていた思考と感情が客観視できた。
 
 私はカウンセリングを受けるまで、
 カウンセリングは話を聴いてもらってそれに対するアドバイスはないのだと思い込んでいた。
 しかし、こちらのカウンセラーさんは
 「今の状況がどうすれば良くなるか」ということをアドバイスしてくださった。
 例えば、「私は完璧主義で人にも自分にも厳しくなりがち。
 自分に厳しくしているから、甘えた人を許せない部分がある。
 では、自分に甘える事を許可してみませんか?
 怖いかもしれないけれど、自分でできるようなことを敢えて人に頼んでみませんか?」こんな感じだ。

 具体的に「こうしてみたら?」と提案してくれる。
 それは決して「こうしなければならない」といった押し付けや強制ではなく
 主体は私にある。
 カウンセラーさんは、方法を提示してくださってそれをするかしないかの選択権は私だ。
 
 また、心の悩みや感情の話をするのでどちらかというと抽象的な表現が出やすくなる。
 マインドや精神の話って理屈は分かっても、具体的に実生活ではどのようなシチュエーションかな?と
 イメージがつきにくかったりもする。
 カウンセラーさんは、実際のエピソードを交えて説明してくださったので
 とても分かりやすかった。
 いただいたアドバイスを実践していくのに役立つと感じた。

 90分という長時間(本来は60分という話だった)お付き合いくださり
 寄り添ってお話ししていただけた。
 カウンセリング中にも沢山気づきがあって
 それまで感じていた暗いネガティブな感情から客観的なフラットな感情に切り替わっていたのも
 驚きだった。
 即効性があり、人間の意識はこんなすぐに変わるものなんだと実感できた。

 カウンセリングを受けた翌日は、スムーズに仕事を始められた。
 すこぶる気分が良かった。
 毎日朝が来るたびに「また仕事だ。」と憂鬱感に苛まれていたのに。  
 
 ネガティブな感情を感じる事なく仕事に集中できた。
 人間関係に何か変化があったわけではない。
 私が変化したのだ。

 思い切ってカウンセリングを受けてみて良かったなと思う。
 自分の心が鋼だと思い込んでいた事にも戒めになった。
 いつでも心は壊れてしまうリスクがあるし、それは誰にでも起きうる事。
「ちょっとしんどいな。」と思ったら、カウンセリングに行くのは大切だと
 今回の経験で痛感した。
 風邪を引いたら医者にかかるのと同じ。
 心が疲れたらカウンセリングを受ける。
 これからは心のメンテナンスをしっかり行っていきたい。

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