花の名前
春に咲き始める、紫色の花
ヒメオドリコソウ。
その名前を聞いた時、わたしが思い浮かべた花があった。
ある日、わたしは公園のベンチで待ち合わせをしていた。
そこには、お母さんにブランコを押してもらって大喜びしている女の子がいた。
その様子を、小学校2年生くらいの男の子が、「楽しそうやなぁ」とつぶやいて眺めていた。
その男の子は、手にタンポポの花を握っていた。
ブランコを押していたお母さんが、そのタンポポを見て、男の子と花のことを話しはじめた。
男の子は、花に詳しい様子で得意になって話していた。
その時男の子が、そばに咲いていた花を摘んできて、「これはホトケノザって言う花」と説明している花が目に入った。
その花は、わたしがヒメオドリコソウだと思い込んでいた花だった。
その後、家に帰って本物のヒメオドリコソウの画像を調べて見たら、ホトケノザとすごくよく似た花だった。
わたしは、小さな博士くんに花の名前をこっそり教えて貰えたことに、こころの中で感謝した。