届け、卒業撮影
もう前置きがいらないくらい、どこでも誰でもこの話題をしていますが、コロナウィルスによって、本当にたくさんの影響が皆さんの生活や仕事に出ていますね。
一刻も早く事態が収束し、また今まで通りの暮らしに戻ることを切に願います。
クッポグラフィーのスタジオがある横浜市では、学校が臨時休校になり、卒業式は卒業生のみで行われるというニュースを目にしました。
この時すぐに僕の頭に浮かんだのは、高校三年生の息子さんを持つパートタイムスタッフのめぐさんでした。
卒業式は誰のため?
「卒業式は誰のためにあるのか?」と問われたら、もちろん生徒のためだと答えます。でも、親にとっても同じくらい、卒業式って大事なものだと僕は思うんです。
いつもスタジオの撮影でお客様ファミリーと接しているだけで、一本の映画を観たのかってくらい涙を流すこともある、めぐさん。
そのめぐさんが息子さんの話を嬉しそうにするのをスタジオでよく聞いていたし、息子さんの学生生活の最後のお弁当を作ったことなども、コーヒーを飲みながら話してくれていました。
きっと卒業式を楽しみにしていただろうな......。
そんなめぐさんの思いと、式中にボロボロと涙する姿だけは、容易に想像することができました。
卒業式の役割
人の人生は、常に時間の流れとともに進み続けていて、それが章立てになっているわけでも何でもないけれど、人が次のステップに進むためには区切りが必要。
親にとって、卒業式がまさにその区切りなんじゃないかなと思います。
忙しい毎日ではなかなか実感できないことも、
「大きくなったなぁ」
「あんな大変なこともあったけど、何とかやってこれたなぁ」
と振り返ることができたり、あるいは
「息子も私もよく頑張った」
と自分たちをきちんと肯定してあげられる機会とも言えます。
だから、卒業式に親が参加できないということは、「子どもの晴れ姿を見れない」という文字からわかる情報以上に、失うものが大きい。休憩や折り返し地点があるから、人は「人生」という長距離走を頑張れるんです。
僕らフォトスタジオにできること
「フォトスタジオである僕たちに何ができるだろう?」
卒業式のニュースが話題になってすぐ、僕はすぐにslackでこの議題を立てて、チームの皆でディスカッションしました。
それぞれの卒業式に対する思い。男性社員なんかだと、親との卒業式の記憶はほとんどなくて、友だちと写真を撮り合った思い出しかないという者もいました。それも正直なエピソード。
それらもすべてひっくるめて、自分たちにできること。
話し合った末に出てきたのは、「卒業式が中止になったり、保護者不参加になってしまった方たちにとって、撮影体験がその代わりになったら」という願いでした。
クッポグラフィーの撮影は、ウェディングフォトも家族写真も、衣装を着た記録を残すためではありません。
新たな気づきがあり、心の支えになる写真。それが、僕たちが目指す写真です。
もしかしたらそれは、撮影中に子どもから親に向けての「今まで育ててくれてありがとう」という言葉かもしれない。あるいは「恥ずかしいわ」と言いながらも笑顔を見せる子どもの顔を、あとで写真で見た時かもしれない。
いずれにしろ、被写体の皆さんにとって、クッポグラフィーの卒業撮影が、卒業式の中止や規模縮小によって開いた穴を埋めてくれるようなものになってほしい。
それが僕たち共通の思いです。
このスタイルでやってきた僕たちだからこそ、やる意味のある撮影だなと思っています。
届け
悲しいニュースばかりのこの3月ですが、クッポグラフィー横浜港北スタジオは、3月いっぱい、卒業撮影を半額にすることに決定しました。
卒業式に出られなくなった方や、友だちと一緒に最後の思い出を残す機会を失ってしまった子どもたちに、届け。
クッポグラフィー横浜港北スタジオ
https://yoko.kuppo.jp/
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