アニメ「ひぐらしのなく頃に解」【“皆殺し編“感想】めくるめく熱い展開と圭一の主人公感
オリジナルの話を経て、いよいよ原作にもある「皆殺し編」に突入。「厄醒し編」で声の出演はあった羽入の姿がやっとお目見えとなる。(とはいえ、見えるのは梨花と視聴者だけ…)
戻ってくる日が短かくなったこともあり、すっかり諦めムードの梨花。どうせ今回もいつもと同じ運命を辿るんだ。部活でやるゲームさえも同じに決まってる、とつまんなそうにする梨花を見て圭一は「運命なんて俺が変えてみせる!」と言い放ち、見事にゲームを変えてみせる。
それだけじゃない。「綿流し編」(あるいは「目明し編」)で惨劇の引き金になった可愛らしい人形を今回は梨花が助言するまでもなく(しようとはした)、レナではなく魅音に渡す圭一を見て、この世界に期待を持ち始める梨花。反面、それでも期待しちゃダメだと諭す羽入。
圭一だけではない。レナも惨劇を回避した行動をしていたそうだ。聞くと、この世界ではないほかの世界での過ちの記憶を教訓に今回は魅音に相談に乗ってもらったからだという。加えて詩音もそうだと分かり、驚く梨花。ますます期待し始める梨花に対して、羽入は頑として消極的な見解を変えようとしない。
何が起きても終始期待するなと言い続ける羽入には、見ているこちらもさすがにウンザリしてしてしまう。それでも前向きな梨花だったが、沙都子の叔父が帰宅したことで状況が一変。いよいよ梨花もやっぱりこの世界はダメだ、と再び諦めムードに堕ちる様は見ていてとてもつらかった。おのれ羽入、と思ったとて仕方がないかもしれない。
そんな時でも圭一は奮い立った。「祟殺し編」での圭一よろしく、今度は詩音が鉄平を殺すと息巻いてしまったが、圭一が真っ向から阻止。そして、まっとうな手段で沙都子を救おうと部活メンバーはもちろん、生徒たちや先生たちまでもが立ち上がるシーンは何度見ても熱い。
そうして圭一たちは沙都子の陳情を求めに児童相談所に赴くが、のらりくらりとかわされ何も進展させることができなかったが、梨花に涙ながらに「あきらめたくない」と訴えられてからの圭一はさすがだった。その後に何度も何度も行く先を阻まれても、そのたびに打ち砕き、見事に沙都子を取り戻していく様子はまさに圭一の真骨頂だった。「罪滅し編」もそうだが、こんな圭一は本当にかっこよく、男だろうが何だろうが惚れてもおかしくない。さすがの主人公だった。(それゆえに、ストーリーの是非の前に「業」「卒」ついでにスマホゲーム「命」では圭一が脇役に徹してしまっているのはさびしかった‥)
沙都子が戻ってきても終わりではない。梨花がなぜ、誰に殺されるのかの最大級の問題が残っている。今まで語ってこなかったこのことを部活メンバーについに打ち明け、もちろん協力してくれることになった。その上、富竹と鷹野さんに皆で働きかけたが、結局富竹は殺され、鷹野もいなくなってしまった。そんな中、ある人物が犯人かもしれないとなり…。
そして、ついに黒幕の正体が明かされる。すでに知ってる方もいるだろうし、一応ネタバレがあると示唆はしてはいるが、敢えて書かないでおく。
その黒幕と部活メンバーが真っ向勝負を挑むのだが、あえなく破れてしまう。そして失意の中でもなんとか次の世界に持ち越そうと梨花、そして羽生が誓う中で「皆殺し編」が終わる。RPGで言えば、ラスボスに挑んだが負けてしまった、といったところだろうか。現実世界ではやりなおしがきかないが、「ひぐらし」では梨花に限りやりなおすことができる。そして、「ひぐらし解」は次からの「祭囃し編」でついにフィナーレを迎える。
果たしてどんな結末が待っているのか、括目してみていきたい。
追伸:
知ってはいても、何度見ても。熱い思いは抱かさせてくれるのが「ひぐらし」が「ひぐらし」たるゆえんなのだろう
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