Back to the late 90’s 【番外編】 第6話 当時の主要レコード店①キタとミナミ
こちらも以前【番外編】第3話と【番外編】第4話でCISCO RECORDSとMANHATTAN RECORDSについて、それぞれ取り上げたが、今回はこれら以外でHIPHOPのアナログ盤が買えたレコード店を何件か取り上げたいと思う。
『Dance Music Record(DMR)』
CISCOやMANHATTANとならび、よく通っていたレコード店。ここでしか買えないプロモ盤などもあり、よく利用した。元々はGRAND Cafeが地下にあったビルの2Fに店舗があったが、2000年代に入ってから場所が南へ移転し、週替わりで試聴器の音源が更新され、こまめにチェックしに行っていたのが懐かしい。久田君(DJ旗本退屈男)やDJ QUESTAがスタッフだった。2009年に惜しまれながら閉店。
『LPコーナー』
LPコーナーは、梅田の東通り商店街と、東心斎橋の2店舗があり、前者はSOULやFUNKと言った所謂ネタもののレコードが充実していて、後者はHIPHOPやR&Bの12インチが充実していた。梅田店で買ったBARKEYSの3枚組のベスト盤や、心斎橋店で買った2PAC『All Eyez On Me』の4枚組LPは今でも大切に所有している。なお値段設定は、CISCOやMANHATTANと比べ高めだった。
『JELLYBEAN』
当時、人気を誇ったSOUL系イベント『SUPER SOUL SHOW』の主催者で、レジデントをつとめた大月さんのセレクトショップ。【番外編】第5話の『土俵』で登場したINDEN君がスタッフにいた。最初は四つ橋沿いの地下1Fのビルに店舗があったが、アメリカ村に移り、最後は今現在『Groovenuts Records』があるビルの3Fに移り閉店した。価格は全体的におさえめで、第15話に登場したBOXER君や大学の後輩でDJ/トラックメーカーのAGESSIとも、よくお店で遭遇した。
『DJ's STORE』
2000年代に入りCLUB ItoI毎週木曜日『Freekin' Time』でご一緒する事となるDJ TOSHIBO君、そして今は亡きKOMA君がスタッフとして働いていたお店。オーナーはトシさん。ここでKOMA君に勧められてPOSITIVE FORCE『We Got Funk』のTurbo盤のオリジナル盤を購入した事を鮮明に覚えている。こちらも今現在『Groovenuts Records』がある場所にかつて存在したお店だ。
『SIESTA』
アメリカ買い付けが中心のお店が大半を占めるなか、ヨーロッパ方面の買い付けが豊富だった『SIESTA』。なのでUK盤に強く、ここでしか買えないUK産HIPHOPやUK SOUL、ACID JAZZ、FRENCH POPのレコードの品揃えは抜群だった。当時のHIPHOP DJ達はスルーしがちのレコード店だったが、私は重宝し、よく通っては珍しいR&Bのレコードを購入していた。現在もネット通販のみだが経営されている様子。
『BAOBAB』
REGGAEの7インチや12インチ、LPが主となっていたが、HIPHOPやR&B、珍しいところではアフリカン・ミュージックなどのレコードも売っていた。私の高校生時代には、今現在『LOVER’S ROCK NIGHT』を主催されている與田さんがスタッフとして働かれ、その後は下記の『VIC』閉店後の新井さんが、僅かな期間だったスタッフでいた。新井さんの奥様がオーナーをつとめていた。
『VIC』
梅田の東通り商店街にあったレコード店。REGGAEの7インチやLPの他、HIPHOPの12インチ、それにJAZZのレコードが豊富だった。私が高校1年から通い始めたお店。店主の新井さんは『プリンス・アーライ』の名で、『レゲエマガジン』に執筆されていた。レゲエ7インチのリコメンの決まり文句「買い~!」に幾度となくレコードを買ったことか!(笑)。なお、数年前に新井さんはご病気で亡くなられたとの事。お悔やみ申し上げます。
と、今でも印象に残っている大阪キタとミナミのレコード店を取り上げた。私が初めてアナログ・レコードを購入した沖野さんの『LION MUSIC DEN』も取り上げたかったが、あくまでHIPHOPレコードが売っていたレコード店に拘って書き下ろしているので省かせて頂いた。次回は大阪府下と京都、神戸のレコード店について取り上げたい。
つづく……