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Back to the late 90’s 第32話 CLUB ItoI『Freakin' Time』④
2001年1月11日(木)CLUB ItoI『Freakin' Time』で、いつものようにDJをしていると、なにやらフロアが急に騒がしくなっているので様子を見ていると、女の子が30人いや40、50人ぐらいはいるではないか!?
いつも閑古鳥が鳴いているとまではいかないにしろ、集客には苦戦を強いられている『Freakin' Time』からすれば、奇跡的な光景と言える。そんな女の子だらけの真ん中に大柄な白人男性が3、4人いるぞ!「誰や?あいつらー」。
なんと彼等はLIMP BIZKITだった!
大阪城ホールでのライヴ終了後に、打ち上げをかねてミナミの街にくり出し、CLUB ItoIに立ち寄ったのだった。
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ヘビィメタルとラップを融合させた彼等の音楽は『ラップメタル』と呼ばれ、世界的な人気者になり、ミクスチャーを好む日本の若者にも大変支持されていたが、私は全くと言っていいほど、興味がなく彼等の楽曲も全く知らなかった。
「なんか派手な奴等やなあ、それにデカイ態度で、あまり好きやないなぁ」と内心見ていたが、やがてDJのタイムテーブルが私の順番に回ってきた。いつものようにR&Bをベースに選曲をしていたところ、LIMP BIZKITの取り巻きにいた女の子の1人が私のもとに駆け寄ってきた。
「ねぇ、今かけている曲を止めて違う曲をかけてもらえますかあ?」と私に言ってきた女の子は、続けて「違う曲をかけて下さい」とリクエストをしてきたので、私が「どうしてなの?この曲はダメなの?」と言うと、ウンと頷いてたのだった。
私は一瞬カッとなりそうになったが、そこはお客様のリクエストなので、ちょうど選曲していたKEITH SWEAT『Twisted』を止めて別のR&Bをかけると、さらに女の子が「その曲もダメです。そんな甘い曲かけず、もっとハードなHIPHOPをかけて下さい」と言ってきたので、「ハードなHIPHOPのレコードは俺持って来てないよ」と言い返すと、「じゃあ、誰か他のDJにチェンジしてもらえますか?」と言ってきたのだった。
内心「生意気な!この女(あま)、ふざけんじゃねーぞ!」と思ったが、続けて女の子が「LIMP BIZKITのメンバーがハードなHIPHOPを聴きたがっています。だからゴリゴリのHIPHOPをかけて下さい」と言ってきたので、仕方なくDJをTOSHIBO君に代わってもらった。TOSHIBO君がハードなHIPHOPを選曲し始めると、LIMP BIZKITのメンバー達は立ち上がって踊り始め、取り巻きの女の子達もつられて、大はしゃぎし始めたのだった。
彼等は小一時間ぐらいCLUB ItoIにいただろうか?派手に取り巻きの女の子達を引き連れ、彼女達従えて騒いだあとに、台風一過のように会場をあとにした。
そして『Freakin' Time』は、またいつものフロアに戻ったのだった。言うまでもないだろうが、以来私はLIMP BIZKITが大嫌いになった。今となれば懐かしい思い出だが......。
つづく.......