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少し離れたまちに映画を観にいく | イオンシネマ座間 『敵』


見出しの写真についてですが、台地上に広がる畑とその奥に山々が連なっているのが写っています。場所はどこかというと、神奈川県座間市の日産座間工場跡地の近くの風景です。

遠くに見えるのは丹沢山地。写真左側に緩やかな三角形の大山が見えます。ここ最近の寒波で雪がうっすら積もっています。


長塚京三さん主演の『敵』を観ようと、イオンシネマ座間へ行ってきました。

一度行ってみたいと思っていた映画館なんです。他ではあまりやっていない映画を上映している事があって気になっていて。

イオンシネマ座間は、日産座間工場の跡地に建てられたイオンモールの中にあります。跡地がどうなっているのかも見たいと思っていました。
(日産座間工場は1966年に開業、重要な車両生産拠点だったが1995年に閉鎖された)

冬だからというのもあると思うけれど、荒涼とした場所にイオンスタイルとイオンシネマの建物。同じ跡地には物流の倉庫なども建っていて、大型車が頻繁に出入りしていました。

小田急線相武台そうぶだい前駅から徒歩で約30分。歩いてやってくるような場所じゃないことは確かですよね。私は知らない土地を歩くのが好きなので、全く苦にはならなくて、むしろ楽しいのですけれど。

畑が広がる奥に物流倉庫の建物が並ぶ写真
日産工場の跡地には物流倉庫やイオンモールの建物が並んでいる

そして、映画『敵』についてですが。

ここの所、お見かけしていないなあと思っていた長塚京三さん主演の映画。音楽プロデューサーの松尾潔さんが「傑作だった。それも大のつく」と新聞に書かれていたのもあって、観たいと思っていたんです。

長塚さん演じる元大学教授の渡辺儀助77歳。とてもステキでした。

毎朝ご飯炊いて、魚焼いたり、ハムエッグ作ったりして、きちんとした生活を心がけている。食後には豆を挽いてコーヒーを淹れ、書斎で執筆に取りかかるというのが日課。時には、夕食に串に刺して焼き鳥作って一人で楽しんじゃったりする。

そういう毎日の習慣が生きていくことを支えているのだなあと。

でも、それがガタガタッと崩れ始めたら……。特に冬は恐ろしい。体力的にも精神的にも持っていかれるような。

この映画は、全編白黒なんです。現実なのか夢なのか、その境界がだんだんよくわからなかったりしていきます。

長塚京三さんのお声って、聞き慣れているのでとても親しみを感じます。声だけでイメージが広がる。

白黒の映像だと、耳に入ってくる長塚さんの声が一段と深く、素敵に聞こえてくるように思います。不思議です。


映画が終わって、寒さに負けないように少し気合いを入れて映画館を出ます。冷たい風が吹くなか日産工場の跡地を通り抜け、県立座間谷戸山公園へと向かいました。

「敵」とは何だったのか。
映画のシーンを振り返りながら歩いていきます。浮かんでくる様々なこと。私も「敵」とは向き合って行かなきゃなんて思いながら。

座間谷戸山公園の里山と谷戸を散策していると、今年初めて蝋梅の花に出会えました。

そして、小田急線座間駅に到着。台地のフィールドワークと映画と公園散策とを楽しめた一日でした。

黄色い蝋梅の花の写真
座間谷戸山公園の蝋梅の花


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