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貴志 祐介著 『青の炎』家族を守りたいだけだったはずなのに…(ネタバレなし)

はじめに

いつの間にか、梅雨の時期も終わってしまったのかかのように、
暑い毎日が続いていますが、皆様どうお過ごしでしょうか。

暑くて天気の良い日には、クーラーの効いた部屋で
ゆっくりと本を読んだり、映画を見たりする時間が、
いつにも増して幸せな気持ちになるような気がします。
(キンキンに冷えた三ツ矢サイダーを、手元に準備すれば、尚最高ですね!)

そんな幸せな気持ちになる季節に、
あえてちょっとブルーになるようなミステリーを読んでみました。

貴志 祐介著 『青の炎』を読みました。


あらすじ

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

-Amazonサイトより-

登場人物 

この物語に登場する、中心となる登場人物を、
私自身のイメージを織り交ぜながら簡単にご紹介します。

主人公:櫛森 秀一 高校2年生の少年。母と妹と3人で暮らしており、成績も優秀で友達も多く、好意を寄せあう女の子もおり、とにかく充実したスクールライフを送っていた。(リア充というやつですね…)それが一転、曾根という男が家にやってきてから、不安を抱えた毎日を過ごすこととなる。眉目秀麗で優等生なイメージ。こういうタイプの人が何か企てようとすると、少し安心して見ていられるような気がするのは、私だけですかね…

曾根 秀一の家に突然現れ、秀一の母親を半ば脅すようにして家に居ついている。秀一の母親が10年前に別れた男。日中はろくに仕事もせず、ずっと家で酒を飲むか、競馬をしに出掛けるか、といった毎日を過ごしている。秀一や妹の遥香に、ドスの効いた声で説教をすることも多い。とにかく、クズな性格が目立つが、何か目的をもって櫛森家にやってきた様子…

遥香 秀一の小学生の妹。秀一にとっては少し年の離れた妹で、とてもかわいがっている。曾根の存在にとても怯えており、秀一に助けを求めることが多い。秀一にとっては、守ってやらなければいけない!と思うような存在。
私も「遥香ちゃんは、ちゃんと助けてあげてや、秀一!」と思いながら読み進めていました。

福原 紀子 秀一といい感じの同級生の女の子。多分付き合う一歩手前くらいの関係。美術部員で絵を描くことが好き。性格は明るく真面目。少し優等生っぽい雰囲気がある。勘が鋭く、秀一が何か隠そうとしていたりすることに対して、よく鋭い指摘をしてきたりする。こういう子が近くにいると、悪いことできないなって感じがします…

用意周到な計画の邪魔をする、秀一自身の未熟さ

あらすじにあるように、秀一は家族を脅かす存在である
曾根を葬り去るために、用意周到な計画を練ります。
秀一の計画は、彼自身の中で何度も実験や
シュミレーションが繰り返された、完璧ともいえる計画でした。

しかし、その計画を実行するのは、ほかの誰でもなく、
高校2年生である秀一自身。
同年代の中では、秀才の部類に入るとはいえ、
まだまだ人生経験の短い、高校2年生です。

秀一を応援してやりたいような、
それでいてやはりストップをかけたくなるような。
ハラハラするけど、体の芯は冷えていくような。
そんな、不思議な気持ちにさせてくれる作品です。

ベストなセリフで賞

個人的に一番印象的なセリフは、秀一の思いを寄せる相手、
紀子が言ったこのセリフです。

「警察になんか、捕まらないで!」

この言葉を聞いて、秀一はいったいどんな行動をとるのか、
是非皆さんにも、秀一の行く末を見守ってほしいです。
ちょっとブルーな気持ちになる作品なので、
気持ちが元気な時に読むことをお勧めします^^

最後に

この本は読み終えてから、たぶん半年くらい経った気がするのですが、
未だに内容をはっきり覚えているほど、
かなり私にとって衝撃的な内容でした…
そして、またしても知らなかったのですが、
これ映画化しているんですね!笑
元 嵐の二宮くんがかなり若い時に、
秀一役でこの映画に出ていたみたいです!
また、あの切ない、ブルーな気持ちになるのは、若干気が引けますが、
元気があるときに見てみようかな^^

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