貴志 祐介著 『青の炎』家族を守りたいだけだったはずなのに…(ネタバレなし)
はじめに
いつの間にか、梅雨の時期も終わってしまったのかかのように、
暑い毎日が続いていますが、皆様どうお過ごしでしょうか。
暑くて天気の良い日には、クーラーの効いた部屋で
ゆっくりと本を読んだり、映画を見たりする時間が、
いつにも増して幸せな気持ちになるような気がします。
(キンキンに冷えた三ツ矢サイダーを、手元に準備すれば、尚最高ですね!)
そんな幸せな気持ちになる季節に、
あえてちょっとブルーになるようなミステリーを読んでみました。
貴志 祐介著 『青の炎』を読みました。
あらすじ
登場人物
この物語に登場する、中心となる登場人物を、
私自身のイメージを織り交ぜながら簡単にご紹介します。
主人公:櫛森 秀一 高校2年生の少年。母と妹と3人で暮らしており、成績も優秀で友達も多く、好意を寄せあう女の子もおり、とにかく充実したスクールライフを送っていた。(リア充というやつですね…)それが一転、曾根という男が家にやってきてから、不安を抱えた毎日を過ごすこととなる。眉目秀麗で優等生なイメージ。こういうタイプの人が何か企てようとすると、少し安心して見ていられるような気がするのは、私だけですかね…
曾根 秀一の家に突然現れ、秀一の母親を半ば脅すようにして家に居ついている。秀一の母親が10年前に別れた男。日中はろくに仕事もせず、ずっと家で酒を飲むか、競馬をしに出掛けるか、といった毎日を過ごしている。秀一や妹の遥香に、ドスの効いた声で説教をすることも多い。とにかく、クズな性格が目立つが、何か目的をもって櫛森家にやってきた様子…
遥香 秀一の小学生の妹。秀一にとっては少し年の離れた妹で、とてもかわいがっている。曾根の存在にとても怯えており、秀一に助けを求めることが多い。秀一にとっては、守ってやらなければいけない!と思うような存在。
私も「遥香ちゃんは、ちゃんと助けてあげてや、秀一!」と思いながら読み進めていました。
福原 紀子 秀一といい感じの同級生の女の子。多分付き合う一歩手前くらいの関係。美術部員で絵を描くことが好き。性格は明るく真面目。少し優等生っぽい雰囲気がある。勘が鋭く、秀一が何か隠そうとしていたりすることに対して、よく鋭い指摘をしてきたりする。こういう子が近くにいると、悪いことできないなって感じがします…
用意周到な計画の邪魔をする、秀一自身の未熟さ
あらすじにあるように、秀一は家族を脅かす存在である
曾根を葬り去るために、用意周到な計画を練ります。
秀一の計画は、彼自身の中で何度も実験や
シュミレーションが繰り返された、完璧ともいえる計画でした。
しかし、その計画を実行するのは、ほかの誰でもなく、
高校2年生である秀一自身。
同年代の中では、秀才の部類に入るとはいえ、
まだまだ人生経験の短い、高校2年生です。
秀一を応援してやりたいような、
それでいてやはりストップをかけたくなるような。
ハラハラするけど、体の芯は冷えていくような。
そんな、不思議な気持ちにさせてくれる作品です。
ベストなセリフで賞
個人的に一番印象的なセリフは、秀一の思いを寄せる相手、
紀子が言ったこのセリフです。
この言葉を聞いて、秀一はいったいどんな行動をとるのか、
是非皆さんにも、秀一の行く末を見守ってほしいです。
ちょっとブルーな気持ちになる作品なので、
気持ちが元気な時に読むことをお勧めします^^
最後に
この本は読み終えてから、たぶん半年くらい経った気がするのですが、
未だに内容をはっきり覚えているほど、
かなり私にとって衝撃的な内容でした…
そして、またしても知らなかったのですが、
これ映画化しているんですね!笑
元 嵐の二宮くんがかなり若い時に、
秀一役でこの映画に出ていたみたいです!
また、あの切ない、ブルーな気持ちになるのは、若干気が引けますが、
元気があるときに見てみようかな^^
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