お祭りで出逢った男の子
小学生の私は、また私の手を引っ張るように、どこかへ導こうとしている。
「今度は何処に行くの?」
私は聞いた。
小学生の私は、ちょっと振り返り、ニコッと笑ってまた私の手を引っ張った。
辺りは、真っ暗になっていた。
「ボンッ!」
「ヒュ~ッ」
「ドーン」「パラパラパラ」
急に山の稜線がクッキリと映し出された。
「花火…」
気づくと、背後には家の近くの神社。
境内では、お祭りが行われていて、沢山の人で賑わっていた。
「ああ、お盆のお祭り」
盆踊りの櫓も煌々と照らされて、太鼓の音が響いている。
皆笑顔で踊り、子ども達は縁日を楽しんでいた。
小学生の私は、いつの間にか浴衣を着ていて、友達の輪に加わっていた。
覚えてる!
近所の幼馴染みの、お兄ちゃん、お姉ちゃん、その妹や弟達…
私は、一人っ子だったから、その兄弟の中に入って、遊んでいたっけ…
あれ?
小学生の私と手を繋いでいる、あの男の子は、誰の弟だったっけ?
考えるが、思い出せなかった。
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オリジナルストーリー(創作物語)を作り、ひとり芝居でその世界を表現している、オリジナルストーリーパフォーマーyouyou。