【平成といえば、3回死にかけたな私…あ、4回かも】~上野動物園に子パンダ誕生 極寒の夏夜~
病院から入院拒否をされ帰宅…
謎の発熱で、一度は入院の話が医師から出たにも関わらず、手術歴が原因で入院を拒否された私。
とりあえずの解熱剤を点滴し、帰宅を余儀なくされたのだが、治療の薬ももらえないまま、途方に暮れつつ布団に潜る。
そして…
「ただ熱を下げただけだから、これからまた、発熱するに違いない」
「だとしたら、どうしたら良いのだろう?」
「電車で2時間かかる、横浜の病院に朦朧とした状態で、行かなくてはいけないのだろうか?」
「というか、確かに特殊な術式で手術したけど、それが原因で治療できないとかって、医療機関としてどうなの?」
「原因究明して、やっぱりその手術の部分が原因と、推測できて初めて、横浜に行けが、正じゃないの?」
私はすでに何度か死にかけてるし、ひどい医者も何人も見てるから、ヤブ医者だろうが原因究明の努力さえ見せてくれたら、納得できるのだが…
自宅の布団の中で、悶々と考える。
体が冷たくなって行く
夜も更け、家族も「寝よう」となった頃、寒気を感じるようになった。
母に更に布団を持ってきてもらい、8月下旬とは思えないほど沢山の布団を掛けて、消灯となった。
暗闇の中、布団の重みを感じながら
「寝よう!」
「とにかく眠ろう」
を心の中で繰り返す。
が、眠れる訳ではない…
寒くて寒くて仕方が無い…
体を手で擦るが、焼け石に水。
むしろ、焼け石が欲しい…
寝返りを打つも、寒さが増すばかり!
「今まで、熱が上がっても、こんな寒さは体験したことが無い!」
ますます体が冷たくなっていく…
寒さを通り越して、体の芯から冷たくなっているのだ!
「これは、どういうこと?」
脳内がパニック状態になった頃
体が硬直し始めた!!
そして何もできなくなった…
体は、手・足から硬直し始めた。
肘は曲がったまま伸ばせなくなり、足は曲げる事もできず、突っ張った状態に!
「えっ?何?何?」
と、思っている間に、全身が硬直。
もう寝返りも打てない…
そして
隣の部屋にいる、母を呼ぼうとしたが…
声を出そうにも出ない!!
「助けて」
心で叫ぶが、アウトプットできないのだ!
体の硬直で、全身筋肉が収縮され、体力の消耗が激しくなっているのも感じていた。
かろうじて、息だけはできている状態…
「このまま気道も硬直したら、窒息死する」
必死にもがこうとするが、ますます硬直が激しくなる。
体力の限界が、そこまで来ていた。
「これ、私が観念したらどうなるんだろう?」
諦めにも似た想いが芽生えたのを最後に、意識がなくなった…
「夜明けを迎えられた」
気づいたら、夜が明けていた。
「生きていた…」
体が熱い…
夕べの筋肉硬直もあって、体がだるい。
ふと「凍死する時は、あのような感じなのだろうか?」と考え怖くなった。
また、高熱になったようだ…
それはそうだ、だって発熱の原因となるものに、何も治療していないのだから。
でも
「生きて夜明けを迎えられた」
それが嬉しくて泣いた。
結局、何が原因で発熱したかは不明のままだ。
最初に行ったクリニックに頼んで、抗生剤を処方してもらい、体のどこかにある炎症を抑えたことで、5日後には発熱することが無くなった。
その後…
今でもたまに、謎の発熱が起きる。
あの時の恐怖があって、医者に行くのをためらう。
難病になってから、病気と付き合って行く事は、当たり前になっているが、持病とは別の症状で医療機関を受診したくても「うちでは診られない」と言われるのではと考えると、自力で治そうとしてしまう。
自力ではどうしようもない…その時が来たらどうするのだろう…
未だに決められず毎日を送っている。
<続く>