良いイベントでも人は自然には集まらない【元外交官のグローバルキャリア】
企画が良くて、告知をすれば人が自ずと集まるというものでもない。その企画にぼんやりと興味があっても、あえて行かないということは多い。
金継ぎのワークショップの案内を近所で見つけた。かねてから金継ぎに興味を示していた母を説得して一人送り込んだ。
関心はあるのに、背中を押されて初めて参加を決める。そういうことは多々ある。一言かけることが空席を埋める秘訣だ。行くつもりはなかった人も、声をかけられさえすれば、重い腰をあげたり、義理立てして行くこともある。そうやって私は先日、埼玉で森林セラピーなるものに参加した。
「声かけ」はイベント集客での大事な要素だ。
Gallery Shell 102
犬の散歩途中で立ち寄った地元のアートギャラリーshell 102で、オーナーと茶事の亭主が新春茶会のキュレーションをしていた。自分は口惜しくも都合が悪くて出られない。それならば代わりに席を埋めましょう、とあいなった。ここには母を金継ぎへ送った実績もある。
人を呼ぶには広くに拡散することを頑張るより、ターゲットを狭くする事が打率が上がる。多数に呼びかけることはするけれど、個別に声をかけることを絶対視する。
ビジュアルも含めて、企画の認知を上げる仕掛けは欲しい。評判のイベント、とかイメージが沸くことが決め手になるからだ。SNSを使うのも良し。pdfのチラシはもちろん。
そこから先はけっこうアナログだ。一人一人に語りかけるように声をかける。直接に面と向かって誘うことが一番効果がある。
誰に声をかけるか
まずは家族や近親者だって良い。新春茶会では、楽しいこと好きのアラ傘(80)の我が家族4人に「近所だし、絶対面白いよ!私の代わりに行ってきて!」と申し込ませた。4人分の席がいっぺんに埋まるのは主催者には助かるはず。アラ喜寿の知り合い男性にも声をかけたが、私が行かないのなら嫌だとのことだった。そういうこともある。
顔を合わせて声をかける機会がなければ、SNS告知後にDM、個別メールで連絡をする。自分が行けるのであれば、その時間を共にしたい人に声をかける。
企画内容で勝負する以外にイベントの場を使って友人と集ったり、知り合いに挨拶したり、新たな出会いを作ることもできる。
Favorita da Veronica
下北沢に美味しいお料理に居心地の良い空間とそのオーナーシェフの取り組みに心を打たれた店がある。ランチ2回とディナーの計3回通って、応援したい、と思った。
そんなお店の参加型料理デモンストレーションのワイン付き。一人で参加しても良いと思ったが、その時期にちょうどバンコクから帰国している友人がいる。彼女を誘ってもまだ一席空席とのこと。せっかくの企画がもったいない。それでは、その一席を埋めてみましょう、と勝手に一肌脱いだ。
まずは、友人が帰国したら会いたいと言っていた方に連絡したが都合つかず。別の共通の友人にメッセンジャーで連絡を取るも既読スルー。きっと忙しいのだろう。友人と大学が同じだが共通の知り合いではない近隣の友人もアウト。もうダメか、と思った時に別の会合で顔を合わせた共通の友人がいた。連絡をしてみると快諾。
こうして3席を埋めた。
知恵を絞り、組み合わせや伝え方を考えて、一人一人に働きかけて返事を待つ。それにはそれなりの手間がかかる。
自分が企画しているワークショップも一人一人に声をかけて10人をそろえた。気のこもったイベントを通じてコミュニティが広がっていくことを願う。
Favorita da Veronicaさんでは、単に食事をしているだけでもイタリアの文化を学べる。来月私たち3人は、エプロンをつけてワインを飲みながら再会を祝う。料理教室となればさらに五感を使ってじっくりと共にする時間を堪能できる。
これからも賛同することを見つけて空席を埋めてお役に立ちます。
スキしていただけるとうちの犬が出てきます。
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