思っていることは顔に出る――表情で伝わる本音と周りへの気配り
日常の会話やふとした瞬間、相手の表情から「今どんな気持ちなのかな？」と感じ取ることがありませんか？
表情は言葉以上に雄弁で、その人の心の内を自然と表しています。思っていることが顔に出ることで、嬉しい気持ちや不安、驚きなどが簡単に周りに伝わってしまうのです。
私達コーチは、クライアントの言葉よりも、表情などの非言語情報から今の状況を読み解くことが多いです。
その方が的確に、考えていらっしゃることが解ります。
表情がどれほど私たちの内面を映し出しているか、そして相手への気配りとして「表情」に少し意識を向けることの大切さについて考えてみたいと思います。
表情は心の鏡
私たちの表情には、感情や思考が瞬時に反映されます。
何か驚きの出来事があったり、考えにふけっていたり、怒りを感じていたりすると、意識しなくても顔にその感情が現れることがあります。
特に怒りは「顔に出ているよ！」と指摘された経験がある方もいるでしょう。
逆に、嬉しい気持ちが表情に出ていると、周りにもその幸せが伝わり、何も言わなくても周りも嬉しい気分になりますよね。
また、警戒しているときも、目や口元がそのような表情になります。
言葉に出さなくても、表情などで自分の心の動きは相手に伝わりますし、その情報量は、私達が思っているより多いです。
周りを不快にさせる表情の影響
このように相手に伝わる情報を多く含んでいる表情ですが、場合によっては周囲を不快にさせてしまう時もあります。
例えば、他人の話を聞いている最中に不機嫌そうな顔をしていると、相手は「話に興味がないのかな？」「気分が悪いのかな？」と感じてしまい、会話に緊張が走ってしまうこともあります。
また、無意識のうちに眉をしかめたり、ため息をついたりしていると、それが「拒絶」のシグナルとして相手に伝わり、人間関係に小さな溝が生まれる原因になりかねません。
表情の影響は、自分が思っている以上に強力です。
特に職場や公共の場では、少しの不機嫌な表情や無愛想な態度が、他人に不安や不快感を与え、周囲の空気をピリピリさせてしまう可能性もあります。
表情は、何も言葉を発しなくても、周りを巻き込んでしまうほどの影響があり、場合によっては言葉よりも大きな影響を与えることもあります。
ふとした表情の変化が、自分が思っている以上に周りに伝わり、思わぬ誤解を生むこともあるため、少し気をつけたいポイントです。
自分の表情に気付くためのポイント
普段、自分の表情がどのように周りに映っているか、気にしたことはありますか？
感情が動いた正にその時に、自分の表情を見る事はあまりないと思いますが、機会があれば、そのようなときに鏡を見てみましょう。
例えば、少し気分が落ちているときに、鏡を見て、意識的に口角を上げてみたり、目線を柔らかくして見ると、それだけでずいぶん印象が変わります。
そしてこれは、単に印象だけで無く、実際に口角を上げたり目線を柔らかくする、から嬉しくなる、という効果があります。
顔の筋肉の動きを脳が察知して、逆に嬉しくなるのです。
これを意識的に使っていくと、マインドをポジティブに保つ事に役立ちます。
また、表情をコントロールしたいときには、次のようなシンプルなポイントを意識して見ましょう。
深呼吸をする：イライラや焦りを感じたときには、まずゆっくりと深呼吸してみましょう。呼吸を整えることで、心が落ち着き、表情もリラックスします。
鏡で確認する：時折、鏡で自分の表情を確認してみましょう。どんな表情で周りに接しているのかを客観的に見ることが出きます。鏡で素敵な表情になったときの、顔の筋肉の感覚を覚えると再現しやすいです。
ポジティブな言葉を考える：ポジティブな考えを持つことで、自然と穏やかな表情が生まれます。例えば、「今日もありがとう」「この瞬間を大切に」など、自分に優しい言葉をかけてみてください。
言葉よりも伝わる非言語情報
笑顔や柔らかな表情は、周囲に安心感を与えます。
特に、初対面や少し緊張する場面では、自分の表情を意識的に和らげることで相手もリラックスできます。
私たちが表情を通して「気配り」を示すことで、円滑なコミュニケーションがとれます。
また、相手の話を聞いているときは、しっかりと目を見て、うなずきや表情で「あなたに関心を持っていますよ」と伝えましょう。
話す側も自分に関心を寄せてもらえると感じ、心が開きやすくなります。
表情は、自分の気持ちや思考が伝わる非言語情報です。そして言語よりも多くの情報が伝わります。
無意識に出てしまう表情が周囲にどのような影響を与えるかを意識してみましょう。
コーチや対人支援業の人が一番気をつける事
私達コーチや対人支援業をしている者は、言葉だけでは無く非言語情報で、目の前のクライアントから情報を得ます。
同時に、自身の非言語情報でクライアントと良好なコミュニケーションが取れれば、クライアントが心を開き、それだけで問題が解決してしまうことも少なくありません。
コーチはクライアントの非言語情報を読んでセッションしますが、逆に自身の非言語情報がクライアントに与える影響力も、考えなければいけないと思います。
そしてそれはセッション時だけでなく、コーチであればいつもそのように関わる意識が大切なのでは無いか、と私は思います。
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