2024年、明けましておめでとう御座います!
昨年は余命宣告から抗がん治療へ、試練の1年だった…
毎月ごと医師からは『何が起きてもおかしくない』と言われながら、仕事はほぼ全てお断りして化学治療に専念した1年であった。
よく考えてみたら、全く仕事に追われずに日々を過ごせたのは実に45年振りのことだ。
そりゃあ45年もの長い間には仕事どころではないことも多々ある…
結婚したり、引っ越ししたり、離婚したり、裁判に引き摺り込まれたり、長く海外にいたり、家族や親族が亡くなったり、結構な病気に見舞われて手術・入院を余儀なくされたことだってある。
それでも常に仕事に追われていた。
入院先の病院にプロデューサーが押し掛けてきて、パジャマに点滴状態で院内でクライアントと打ち合わせ…看護師さんに頼み込んで病室で描いたコンテをFAXして貰ったこともある。
45年間色んなことがありました… Part 1
『次のプレゼンまでにアイデアをまとめておかなきゃ…』
『早く絵コンテ上げなきゃ…撮影打ち合わせ、始まっちゃうぞ…』
『このままいくと編集時間が間に合わない…』
『次の仕事ロケの予定伸ばさなきゃかなあ…』
『打ち合わせって言ったって… 受ける暇なんてないんだけど…』
『あ、撮影費、交渉すんの忘れてた…』
『ひゃあ、決まっちゃたよお…あのプロデューサーとまた一緒に仕事すんの嫌だなあ…』
『やばいっ!前の海外ロケで遣いすぎちゃった… 資金繰り考えなきゃ、銀行さん呼ばなきゃ…』
『間に合わないぞ〜、間に合わないぞ〜、これが間に合わないと次がもっと間に合わないぞ〜…』
等々…
今の仕事の先行き、次の仕事の準備…
どんなインターバルの時だって、必ず次の何かに追われているのだ。
それが全く消えて無くなってしまった…
私の仕事は依頼を受けてからアイデアを組み上げ、撮影や作像を行い、仕上げて納品するまでに最低でも1ヶ月以上は掛かる仕事だ。
長ければ半年、いや1年以上掛かることだってある。
来月自分の身がどうなるのか分からないこの状態では、仕事を受けるわけにはいかないのだ。
ずっと仕事に追われ続けていたので、いざ仕事が無くなってしまうと、さぞかし寂しい思いをするのかしら…
と、思っていたら… 何故かそんな気持ちは全く湧き起こらない。
それよりも、自分の『今』に向き合っていたい気持ちが強く、煩わしいことは少なければ少ない程気持ちが良いのだ。
今、この瞬間に何をしたいのか… それができることを優先できる状況が何よりも楽しい。
実は私はそれほど仕事が好きじゃなかったんじゃないか…と思えるほど楽しい。
それとも、映像の仕事については、充分に楽しんでこの45年間で結構やり切ったのかも知れない…
45年間色んなことがありました… Part 2
今は自分と向き合うこと、自分のやりたい事をやりたい時に出来る状況を大切にしたい…
こうして思いつくままに文章を紡ぐのも楽しい。
よく考えれば、永遠に続く人生はないのだ。
今はいつどの瞬間にそれが終わっても、そこを終着点にできるように、新しい日々を、新しい年を過ごしていきたいと思っている。
そして新しい年が、新しい1日が迎えられることが何よりも楽しいのだ!
みなさん、明けましておめでとう御座います!
そして本年もどうぞよろしくお願いいたします。