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カーコラム「ISUZU PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.4」
ジェミニZZ Rに搭載されたG180WE型エンジンはかなり騒々しいパワーユニットだ。
デュアルアパイプで整音された排気音はとても心地よいのだが、エンジン始動直後の冷間時はカチカチ、ジャラジャラとまるで夏虫の饗宴か! と、突っ込みいれたくなるほど。とても深夜にはかけられない。
エンジンのシリンダーヘッド部分は燃焼室の熱やカムシャフトなどの回転物が発する摺動熱などがこもりやすい。特に動弁機構が複雑なDOHCの場合は、発熱も大きい。
そのため、カムシャフトとバルブエンド部分とのクリアランス、いわゆるタペットクリアランスが多めにとられているのだ。エンジン始動時のカラカラ音は、このタペットクリアランス起因するものだ。暖気が終わり、金属が膨張してクリアランスが正規の値になると止まる。
メカニカルノイズのもう一つの大きな発生源はカムシャフト駆動させているチェーンだ。
クランクシャフト軸から動力を得てカムシャフトの駆動を行うチェーンは、高回転での強度を考慮してダブル掛けとなっている。チェーンが伸びる事を考慮し、オートテンショナーが設けられているが、冷間時にはこの部分にたるんだチェーンが通るため、シャラシャラという摩擦音が発生するのだ。この音も暖気が終了すればかなり小さくなる。そして高回転では、シャーーーンという、コグドベルトを使用する現代のエンジンでは味わうことができない、心地よい金属サウンドを響かせるのである。
そんなこんなで、要はうるさいエンジンであるためか、いすゞの純正オイルの番手指定はシングルグレードのSAE30番。現在では考えられない高粘度のオイルを使用していた。
この時代、マルチグレードのエンジンオイルはあまり普及しておらず、純正はどこのメーカーでも安いシングルグレードを指定している場合が多かった。
納車から一カ月が経過し、走行距離も1000キロに近づいたある日。たまたま走っていた環八で、オイル屋玉川なるカーショップを発見した。
場所は中原海道を五反田方向から来て、右手に田園調布警察がある環八との立体交差の交差点を右折、環八外回り入ってしばらく行った左側にあった。
後に知ったことだが、このショップ、カースタント界の大御所である「クロスレーシングチーム」と深いかかわりがあり、さらにオーナーの息子さんが関東シリーズのラリーに参戦している走り屋、そしてモータースポーツと極めて所縁の深いショップであった。
最後はラリー車として、華々しく御殿場の大地に散ることになる我がZZ Rのメンテナンスとチューニングを任せていたのがこのオイル車玉川なのである。
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