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エッセイー「ニヒルなゲッタウェイドライバーをライアン・オニールが好演 " ザ・ドライバー "」
1978年公開の映画「ザ・ドライバー」は、凄腕のゲッタウェイドライバー(逃走専門の運転手)と、警察特捜部の刑事との対決を描いたハードボイルドアクションである。
全編の7割が夜間のシーンというダークな色調の中、特撮やCGを一切使わない(というかこの時代には存在しない)リアルなカーチェイスが展開する。
永遠のラブストーリー「ある愛の歌」でアリ・マックグローの恋人役として一世を風靡したライアン・オニールが、クールでプロフェッショナリズムに徹したドライバー役を見事に演じている。
この映画、犯罪者対警察という既存の対立構造とは異なり、プロ対プロという視点から描いている点がクールでカッコいい。
高圧的なクライアントを乗せ、広大な地下駐車場で超絶のドライビングテクニックを披露するドライバー。言葉よりも行動で示す。それが真のプロフェッショナルだ。
誇り高きプロの世界を描いたウォルター・ヒル監督の傑作である。
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