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ショートエッセー 「神」
神は気まぐれで全てを与え、気まぐれでその全てを奪う。
神は人間の尺度でいうサディストではない。残酷なまでに無垢なのだ。まるで赤ん坊が笑いながら小さな昆虫をバラバラにするように、自らが創造した人間の一生を弄び、飽きればボロボロにして捨てる。
しかし、神にも弱みがある。それは自らの完全なるコピーである人間を作ってしまったこと。人間が自らのうちにある神性に気づき、覚醒した時、創造主である神をも超える存在となる。
それをわかっている神は、天使と悪魔を造り人間の心を幻惑するよう仕向けるのである。神を讃えたり憎悪する必要はない。与えられた試練を心底楽しめる様になった時、神はその人間に飽きて他の人間にちょっかいを出し始める。
泰然自若。所詮、すべては無、すべては幻影、すべては虚。その真理を実感した時、人は超人(アデプト)へと進化し、神をも凌駕する存在へと昇華するのである。
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