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カーコラム「ISUZU PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.15」

 フロントバンパーの上で睨みをきかす2灯のPIAA製大径フォグランプと、前後のタイヤハウス後方に装着されたウレタン製の大型マッドガードが、さりげなくその素性をアピールする我がPF60型ZZ R。

 前回はサスペンションとガード類、そして補助灯について書き記したが、今回はドライバーの仕事場であるコクピット回りと室内の改造点について。

 まず、室内にはボディ剛性の向上と乗員の安全確保のため、アイバワークス製38mm直径のスチール製4点式ロールバーを組み込んだ。

ロールバー形状は、センターピラーから後方を覆う、いわゆる後ろ4点式で、当時のJAF競技両規定に合わせて作られたものだった。後にこのロールバーのお世話になろうとは、その時は想像だにしなかった。

 頑丈なパワーユニットG180WE型エンジンを搭載するPF60型ジェミニZZ Rは、ハードな走行を繰り返していると、フロント回りに大きなストレスがかかる。それを防止するためボンネット内部の左右両サイド(ストラット式のサスペンションではストラットタワーにあたる部分)を結ぶタワーバーを装着した。

 単なる気休め程度にしか思っていなかったが、これ、ボルトオンの安直なチューニングにも関わらず、ステアリングを切り込んだ初期の応答性に変化が出るほど効果があった。

 コクピット回りでは、まずドライビングシートをEVA社製のフルバケットシートに交換。それに伴い、シートベルトもサベルトの4点式(2インチ幅)に交換した。

 ステアリングはラリー屋の定番とも言える直径38mmのナルディ・クラシックに交換。昔からラリー屋はナルディ、レース屋はモモを好む傾向があった。

 室内関連とは無関係だが、ささやかなエンジンチューニング(当時ラリー車両規定では、補修と分解整備を除き、エンジンには一切手を加えてはならなかった)として、ハイテンションコード(プラグコード)をアメリカACCEL社製の8mm径のホットワイヤーに交換した。

 イエローのコードに赤いプラグキャップの極太ハイテンションコードは、ブルーの結晶塗装が施されたG180WE型エンジンのカムカバーによく映え、エンジンルームが一気に華やいだ。

 さらに、当時流行していたテフロン系添加剤「マクロロン」も注入した。

 プラシボ効果の影響もあるが、G180WE型エンジン特有のラフさがなくなり、エンジンの静粛性、レスポンスが向上したように感じられ高回転での伸びも良くなった(ような気がした)。


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