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エッセー「JerusalemaDanceChallengeは閉塞したコロナ禍の世界に差し込んだ一条の光である」
2019年末にリリースされたMaster KG Feat.Nomceboの"Jerusalema"が、世界的なムーブメントを巻き起こしている。
Master KGは2016年から活動している南アフリカ出身の歌手/DJ/音楽プロデューサーで、AFRIMA(All Africa Music Awards)でも受賞歴をもつ実力はのアーチストである。 南アフリカで広く使用されているズールー語で“Jerusalema”(ジェルサレマ)の歌詞は、ずばり「祈り」。ゴスペルをベースにしたサウンドは軽快で、それに合わせて踊るダンスはステップもシンプルでノリがいい。
そんな南アフリカンミュージックが、現在「JerusalemaDanceChallenge」というムーブメントとしてとしてアフリカ大陸を飛び出て、欧州・北米・南米といった様々な地域で一大ブームを巻き起こしている。
「JerusalemaDanceChallenge」とは日本的に言えば「踊ってみた」。かつて日本国内で流行ったAKB48の"恋するフォーチュンクッキー"の世界版ととらえればわかりやすい。
南アフリカの隣国アンゴラで数人の若者が一緒に躍った動画をネットにアップしたことに端尾を発する「JerusalemaDanceChallenge」は、コロナ禍によるロックダウンや様々な規制で不安と閉塞感に満ちた社会をハッピーに乗り越えるための一服の清涼剤として、今や民族や文化の枠を越えて地球的規模の一大ムーブメントへと発展した。
そしてその勢いは一般の個人やグループだけに留まらず、コロナ禍で苦境に立たされている航空業界や、コロナ戦線の最前線で戦う医療従事やソーシャルワーカーにまで拡大している。
いかに邪悪な意思や企みが世界を分断しようと試みても、人間が人間である限り"繋がり"を求める。それが人間である。
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