エッセー「千葉真一が吠える！伝説のテレビドラマ「ザ・ボディガード」を熱く語る」

　昭和49年（1974年）当時、現在のテレビ朝日は「 NET 」 または「10チャンネル」と呼ばれていた。

　その時代、NETは傑出したテレビドラマシリーズを数多く製作、放映していた。

　その白眉とも言えるのが「ニヒルな二枚目」天知茂主演のハードボイルド刑事ドラマ「非情のライセンス」、そして今回ご紹介する「ザ・ボディガード」である。

　「ザ・ボディガード」は、毎週木曜の午後10時という大人の時間帯に放映され、西村晃（故人）演じる伊達正が率いる警護会社「ザ・ボディガード」が、次々と舞い込む難事件を解決して行くという痛快アクションドラマである。

　主役の鷲見秀介に扮するのは、Sonny千葉（最近はJJが入る）こと千葉真一。かのクエンティ・タランティーノを熱狂させ、映画も都ハリウッドをも屈服させた日本の至宝 ' 真一・ザ・グレート・千葉 ' である。

　リアルタイムで千葉真一を知らない世代でも、「クォーッ、クオーッ、クオーッ」と、まるで伊東温泉ハト屋の大漁園の如く、三段逆スライド式に盛り上がってゆく「息吹（イブキ）」のものまね（関根勤の十八番）は一度は観た事があるだろう。その元祖こそが千葉真一、その人である。

　当時、千葉真一は世界的なカンフーブームから誕生した東映空手アクション映画シリーズでその人気を不動のものとし、乗りに乗っていた。言わば全盛期である。もちろん、このドラマでもキレの良い独特のカラテアクションをタップリと披露している。

　共演者は、千葉真一の実弟である千葉治朗、松方弘樹の実弟の目黒祐樹いった活きのいい若手俳優に加え、雪村いずみや高木丈二といったベテランがその脇を固めていた。

　そして、なんと言っても忘れてならないのが志穂美悦子。

　エッちゃん、この作品で大人向け連続ドラマに初レギュラー出演を果たしたのである。