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エッセー「アクション女優の始祖 志穂美悦子礼賛 ”必殺女拳士”」
志穂美悦子はアクション女優の始祖であり、唯一無二、空前絶後の存在である。
1974年12月に公開された「女必殺拳 危機一髪」で衝撃的なスクリーンデビューを飾った志穂美は、日本映画界に「美系アクション女優」という新たなカテゴリーを確立した。
1976年公開の「必殺女拳士」は、香港のカンフーマスター・李紅竜を主人公とする「女必殺拳3部作」でその地位を不動のものとした志穂美が、新境地を切り開くべく挑んだ意欲作である。
オープニングのトレーニングシーンで、息吹の際に子役から志穂美に変わるシーンは何度観ても鳥肌が立つ。歴史に残るオープニングシーンである。
しかし、これってトレーニングというよりも幼児虐待、イジメだよな~。
東映空手アクションに小難しい筋書き&突っ込みは無用。
というわけで、この作品も勧善懲悪、それに親の敵討と怨恨・復讐という古典的ファクターが加味されている。
汚い奴、悪い奴を正義の鉄拳で制裁するというワンパターンに何ら変わりはない。
悪い奴はとことん悪く、「あ~、こいつだったら殺されてしょうがね~な~」と心底思ってしまうほど演技力+濃ゆい個性派悪役俳優のオンパレード。本当に東映ってワルの宝庫だよな。
宿命を背負った美しき乙女の復讐譚を一皮剥けた志穂美悦子が見事に演じきっている。
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