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エッセー 「至高のすき焼きを食らう」
すっかり寒くなったのですき焼きなんぞ。
といってもただのすき焼きではない。葉山牛のすき焼きである。
葉山牛は短角黒毛和牛の但馬牛の血統を引く国産牛で、葉山と横須賀のごく一部で飼育・生産され、その年間生産量は極めて少ない。そのためそのほとんどが地産地消されるため東京にはほとんど出回らない幻のブランド牛である。
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東京で葉山牛を扱う高級レストランや料亭では、ステーキで100gで6,000円~10,000円、すき焼きやしゃぶしゃぶだとやはり同じく一人前5,000円~10,000円のプライスがつく超高級ブランド牛を今宵はなんと贅沢に300g。
葉山の老舗、旭屋牛肉店で現地価格で仕入れたからこそできる贅沢である。
すき焼きにつける溶き卵にもこだわり、地元葉山町木古庭の養鶏場「株式会社マルノブ」の赤玉を購入。最高の牛肉と最高の玉子とのマリアージュを試みる。
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松阪牛や神戸牛よりも遥かに細かいサシが入った葉山牛は、口に含めばとろけるほど柔らかく甘い。それを濃厚な溶き卵につけて頂く、まさに至福である。
そしてその至高のすき焼きに合わせるのはフランス ロワールのスパークリングワイン”MONMOUSSEAU CREMANT DE LOIRE(モンムソー クレマン・ド・ロワール)”。
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このスパークリングワインを初めて知ったのは1990年頃、友人のANAのCAさんから教えてもらった。実はこのスパークリングワイン、当時ANAのファーストクラスでウェルカムドリンクとしてラインナップされていた。
初めて口にした時、正直シャンパンの名品ブーブクリコと区別がつかないほど美味かった。しかしプライスは当時でもブーブクリコの約三分の一、超コスパの高いフランス ロワールのスパークリングワインなのである。近年、人気漫画シリーズ「神の雫」でも紹介された逸品である。
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