カーコラム 「名実ともにリトル・ギャング "HONDA CITY TURBOⅡ BULLDOG(ホンダ シティ ターボⅡブルドッグ)"の想い出」
1980年代前半に登場したホンダのシティは本当に素晴らしいクルマだった。
ロングストロークで良く粘る1200ccのエンジンは、シティの軽量ボディを走らすには必要にして充分なパワーがあった。
そのエンジンにターボを装着して最高出力100PSにまでパワーアップしたシティ・ターボはまさにリトルギャング。発進時の強烈なトルクステアは、現在のクルマでは考えられないワイルドなものだった。
1984年にはインタークーラーを装着して最高出力を115Pまで向上させたシティ・ターボⅡが登場した。
「ブルドッグ」の別称を持ったシティ・ターボⅡは、エンジンのパワーアップのみならずエクステリアも大幅にリファイン。ボディ一体型のオーバーフェンダーやエアロパーツの装着により、グラマラスで戦闘的なボディフォルムとなった。
ひとたびアクセルを踏み込めばフロントをホイールスピンさせながら怒涛の加速で一気に「チンコン、チンコン」(速度警告チャイムの音。昔のクルマは100km/hに達するとこの音が鳴るようになっていた)ゾーンへと突入! シフトアップの際の度にエンジンルームから聞こえる「パシュー」というウエイストゲートの開閉音もドライバーをその気にさせた。
トールボディの割りには重心が低く、サスペンションもかなり固められていたので体感ロールは少なく、峠では最高に楽しいクルマだった。
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