カーコラム「ISUZU PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.2」
G180WE型、それがホットモデルに搭載されたパワーユニットの名称である。
1979年11月、かのアルファロメオンのエンジン設計も手掛けたイタリアの名チューナー「コンレロ」の手によるものとマコトしやかに噂され、べレットGT-R、117クーペに搭載されたG161W型エンジンをそのルーツとする名器G180WE型エンジンが、ビッグマイナーを受けPF60型となったジェミニのボンネットに収まった。
鋼の心臓を有する者、シリーズ最強のホットモデル「ZZ」の誕生である。
G180WE型エンジンはボア×ストローク84.0mm×82.0mm、圧縮比9.0、1817cc、直列4気筒DOHCのパワーユニットで、そのパフォーマンスは130PS/6400rpm、最大トルク16.5kg-m/5000rpmの高出力を誇る。
このエンジン、最大トルクの発生回転数が5000rpmである事からも理解できるように典型的なDOHCエンジンである。
しかしながら、高回転志向のホンダ系やトヨタ系のDOHCユニットとは異なり、中速域でのトルク感を重視した味付けがなされている。
ボア・ストローク比がほぼスクエアなことから、ショートストロークエンジンに比べピストンスピード限界には早目に到達する。そのため、頑張って高回転まで引っ張るより、むしろ6000回転付近で早目にシフトアップした方がエンジン特性が活きる。
低・中速域でのレスポンスはアクセル開度に忠実で、トルク感があふれ使い勝手は抜群だ。どの回転域からでもパワーがついてくる。
ZZシリーズ中で最も軽量なZZ Rクーペの車重が975kg(ドライ)の場合、パワーウエイトレシオは1馬力あたり7.5kgである。
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