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カーコラム 「羊の皮をかぶった狼! バカっ速のATセダン "三菱 ランサー・エボリューションⅦ GT-A" の思い出」

 世界中の強豪自動車メーカーがしのぎを削る熾烈な戦場・WRCで磨かれ、絶えまぬ進化を続けてきたランサーエボリューション。その七代目となるエボリューションVIIをベースに、シリーズ初となるATを搭載したモデル、ランサー・エボリューションVII GT-Aが2002年にリリースされた。

 GT-Aに搭載されるのはINVECS-IIスポーツモード5速オートマチックで、シフトレバーをマニュアルゲートに移動してマニュアルモードを選択すると、シフトワークで適切なパワーバンドを使いこなすスポーツ走行の醍醐味を十分に味わうことができる。

 さらに、シフトレバーに加え、ステアリングスポーク左右に「+」と「-」のシフトスイッチが設置されており、ステアリングを握った状態でもシフト操作を行うことが可能だ。

 また、通常のDレンジでは、人間の頭脳判断機能に近い最新の論理回路「ニューラルネットワーク」を採用したシフト制御により、路面や走行状況に応じた最適なギヤ選択が行われる。この優れたATによって、これまではモータースポーツ愛好者か一部のエンスジャストのみが甘受していたランサーエボリューションの至高の世界を、誰にでも手軽にかつ安全に楽しむことができる。

 エンジンはエボリューションVIIと同じ4G63型エンジンを搭載しているが、ATとのマッチングを考慮して、MTモデルよりも若干低めの最高出力272ps/6500rpm、最大トルク35.0kg-m/3000rpmのパワースペックに変更されている。

 また、サスペンションもMTのGSRに比べると若干バネレートは低めで、操安性だけでなく、乗り心地にも配慮したセッティングとなっている。

 フロントデフにLSDが組み込まれていることを除けば、その他はMT仕様のGSRと同じで、AYC、ACDといった三菱ご自慢の電子デバイスも標準装備されている。

 ランサーエボリューションVII GT-A、2002年当時においては、その速さは2リッター最速のATと言っても過言ではない。


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鳴海邦彦 / KUNIHIKO NARUMI OFFICIAL
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