カーコラム 「梅雨の季節は恐怖のハイドロプレーニング現象要注意」
クルマは、いかに高性能エンジンを搭載しようとも、いかに優れたサスペンションを持とうとも、タイヤの性能限界を超えることはできない。
クルマの基本性能である「走る、止まる、曲がる」は、すべてタイヤが路面と接したわずかハガキ一枚適度接地面で行われている。
つまり、タイヤこそがクルマを走らせるための最重要部品であり、それがなかれば例えフェラーリといえども走行することは不可能である。
ところが、そんな重要なパーツであるタイヤを軽視し、エンジンチューニングやサスセッティングに血道を上げている愚か者が多い。
日本はこれから憂鬱な雨の季節「梅雨」に入る。この時期、タイヤにまつわるトラブルで、最も怖いのが「ハイドロプレーニング現象」である。
「ハイドロプレーニング現象」とはタイヤと路面との間にミクロの水膜ができて、駆動力も制動力も旋回時のグリップ力もすべてが失われる、ドライバーにとって最悪の現象である。
一度この状態になると、一切の摩擦力が失われ、ステアリング操作もブレーキ操作も加速も、何をしても一切のコントロールが効かない。水膜が切れ、タイヤが路面とのコンタクトを再び取り戻すまでは神に祈るしか為す術はない。
それは、F1ドライバーであろうが、WRCチャンプであろうが、となりのオバちゃんであろうが、みな同じ。
そして、この現象は特にタイヤの溝が残り少なくなっている時ほど発生しやすい。
エンジンやサスに金をつぎ込む前に、まずは自分の足元を見つめなおすことから始めよう。
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