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カーコラム 「運命に翻弄された悲運のGr.Bマシン "三菱スタリオン4WD "」
1984年7月、南フランスのドラギニオン市郊外サンジュエルにあるフランス陸軍演習場を舞台に開催された第9回ミル・ピスト・ラリーにおいて、一台のGr.Bマシンが鮮烈なデビューを飾った。
そのマシンこそ、後の世に悲運のラリーカーと語り継がれる事となる三菱スタリオン4WDである。
ミル・ピスト・ラリーはフランスのナショナルラリー(国内ラリー)だったが、ホモロゲーション(競技車両としての公認)を必要としないエクスペリメンタル(未公認)クラスが設けられていたため、世界各国の自動車メーカーにとっては、デビュー直前のマシンの実戦テストが行える絶好のイベントだった。
アンドリュー・コーワン率いるラリーアート・ヨーロッパは、スタリオン4WDの開発ドライバーでもあるラッセ・ランピにステアリングを託し、勇躍真夏のコート・ダジュールに乗り込んだ。
センターデフにビスカスLSDを組み込んだん"ファーガソン・システム"をいち早く採用したスタリオン4WDの走りはラリー初日からライバルを圧倒、そのポテンシャルの高さを実戦で証明し、WRCでの活躍を期待させた。
しかし、三菱の突然のラリー活動休止によりその夢は幻に終わった。
「たら」、「れば」がないのが勝負の世界。しかし、もしスタリオン4WDがWRCに参戦していたらライバルのGr.Bマシンを相手にどのような戦いをしたのか、その興味が尽きる事はない。
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