エッセー 「日活唯一の怪獣映画 " 大巨獣ガッパ "」
日活が製作した唯一無二の怪獣映画、それが1967年(昭和42年)公開の「大巨獣ガッパ」である。
小学校2年生の時、現在はイトーヨーカドーとなってしまった大井町日活でリアルタイムに鑑賞した。
これがまた、怪獣映画のくせに泣かせるストーリーなのだ。
キャサリン諸島オベリスク島という南方の島( ”南方の島 ” というのは当時の怪獣映画の定番)で発見された巨大な卵を発見した雑誌社の探検隊が、偶然見つけた洞窟の中で謎の巨大卵を発見した。その卵から伝説の怪獣ガッパの子供が孵化した!
世紀の大発見に喜ぶ雑誌社の探検隊は、祟りを恐れる島の住民の反対を押し切り、子ガッパを日本に連れ帰る。
それを知った親ガッパが怒り、子ガッパ奪還のために日本に飛来し、破壊の限りを尽くすとという、ある意味単純な話。
だが、しかし、この怪獣親子の愛が素晴らしい。怪獣映画なのに何故かジーンと来るのである。
親子の愛は怪獣も人間も同じである。
まだ飛べない子ガッパに親ガッパが飛び方を教え、最後には朝日の中、生れ故郷のオベリスク島に帰って行くという羽田空港のラストシーンでは思わずウルウルしてしまった。
OPとEDで流れる、怪獣映画らしからぬエレキびんびんでパンチの効いたテーマ曲を歌うのは、当時絶大な人気を誇った美樹克彦である。
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