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エッセー 「映画 ” デルタ・フォース ” チャック・ノリスはパックス・アメリカーナのシンボルである」

 体毛びっしり、オイニーむんむん系と言えばこの人! そう、チャック・ノリスである。

 チャック・ノリスはドルフ・ラングレンやジャン・クロード=ヴァンダムなどを輩出した全米カラテチャンピオンから銀幕デビューした生粋の格闘系アクションスターである。

 「ドラゴンへの道」で、ローマのコロセウム(実際は香港のスタジオ)で我が師・李小龍(ブルース・リー)と死闘を演じ、一躍その名を世界に知らしめた。

 いかにもアメリカン(しかも中西部)な顔つきと、ヒマラヤの雪男もかくやという毛深さ。

 まさに ' 闘うネアンデルタール ' いや、' 闘うピテカントロプス ' いや、' 闘うジャワ原人 ' そのものである。

 数ある主演作の中でも、マニアの間でその白眉と称されているのが1986年公開の「デルタ・フォース」である。

 この作品、1977年にエンテベ空港奇襲作戦を題材に製作された「サンダーボルト救出作戦」の監督メナハム・ゴーランがメガホンをとった完全なるイスラエルプロバガンダ映画。言わば国策映画である。

 アラブ人は常に「悪人」でイスラエル人はその悪人に「受難」と「迫害」を受ける可哀そうな民族。それを救うのが正義の味方アメリカ、みたいな。

 ストーリーは、1985年に起こったトランス・ワールド航空 (TWA) 847便テロ事件をモチーフとして構成されている。

 と、ここまでは真面目に書いてはみたものの、実際この作品、プロパガンダ映画だから出来云々を語っても何の意味もない。

 ただひたすらチャック・ノリスのアメリカンな荒くれアクションが堪能できればそれでいいのだ。

 複雑な国際情勢などどうでもよい。チャック・ノリスの毛ムクジャラアクションに興奮すればそれでいいのだ。

 問答無用、勧善懲悪、イスラエル万歳、アメリカ万歳。

 気をつけな、四の五の言うと俺様のハードな蹴りがYouのケツの穴を蹴り上げるぜ!


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