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エッセー「全国にスチュワーデスブームを巻き起こした伝説のテレビドラマ"アテンション プリーズ "の想い出」

 スチュワーデスは(今はCAとか呼ぶらしい)は男の永遠のロマンである。

 スチュワーデスと言えば、1970年~71年(昭和45年~46年)に日曜日19:30~18:00までの通称「不二家枠」で放送されていたドラマ「アテンション プリーズ」。

 紀 比呂子(きの ひろこ)演じるスチュワーデスの卵 ' 美咲洋子 ' が、数々の失敗を繰り返しながらも立派な国際線スチュワーデスへと育ってゆく姿を描いたこのドラマ、当時、日本全国の小学生(特に女子)の殆どが観ていた。

 自分の周りにも、このドラマがきっかけでスチュワーデスやパイロットなりたいと、その後の人生を決めた同級生が何人もいた。

 今の人には信じられないだろうが、日本人が海外旅行を自由にできるようになったのは1964年(昭和39年)のこと。しかも当時は外貨の国外持ち出しは年一回500$(当時は1$=360円の固定相場)と厳しく制限されていた。

しかも、国際線を飛ばすことができる航空会社は日本航空(JAL)一社だけ。なんとこれは法律で決められていたのである。つまり、親方日の丸。

 このドラマは放映された1970年(昭和45年)は、日本航空に初めてボーイング747型(100型)が導入された年。高度成長の追い風もあり、個人の海外良好ブームに火が付き始めた時期だった。

 日本航空は、会社のPRとスチュワーデスの知名度アップ、そして海外旅行客の増加を狙い、ドラマの制作に全面協力。

 その思惑通りドラマは大ヒット。日本全国にスチュワーデス志望の女子が溢れた。何せ仕事で高嶺の華の海外旅行に行けて、しかも男性から「高嶺の華」と呼ばれ玉の輿に乗るチャンスも多く、しかも超高給。それはなりたくもなろうというもの。

 そして、スチュワーデス目当てに飛行機に利用するという "よこしま "な輩も急増。JALは思惑通りの展開となり万々歳。

 このドラマに出てくるミニスカートと黒いストッキングの5代目制服のデザインは森英恵先である。

 因みにこの時代、ファーストクラスに搭乗すると、スチュワーデスが途中で着物に着替えてサーブしてくれるサービスがあった。


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鳴海邦彦 / KUNIHIKO NARUMI OFFICIAL
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