エッセー「資生堂 " MG5ヘアトニック "の想い出」
資生堂の男性化粧品シリーズ ” MG5ヘアトニック ”。
昭和40年代、小学校高学年の男子の間では男性化粧品、中でも整髪料が大ブームだった。
記憶が定かではないが、当時、MG5のヘアトニックが500円くらい、エロイカが700円、ブラバスは1000円近くらいだったような気がする。
ブラバスを使っていれば、それだけでクラスのヒーローだった。
整髪料をつけているかいないかでは女子達のうけも違ったのは事実。
当時なけなしのおこずかいをはたき、よくMG5のヘアトニックを買ったものである。
中学生になるとブラバス一本槍。
そして年頃の高校時代はブラバスと、人気テレビシリーズ「警部マクロード」のデニス・ウィーバーをCMキャラクターに据えた新ブランド " タクティクス " 。
そして大学時代は、当時サーファーの間で絶大な人気を誇ったジャコウ鹿のフェロモン入りスペシャルコスメ " ウガビン・ムスク " を頭のてっぺんから爪先までふりかけて愛用。
大量消費するため、海外通販で直接USAから購入していた。
ある時などつけすぎて、余りの強い香り(異臭)に、乗り合わせた電車の乗客が次々と別の車両へ移動するという非常事態まで発生したほどだ。
社会人になり、暫くはコスメ系からが遠ざかっていたが、バブル期を迎え再燃。
ブランドは「成功者の香り・アラミス」。当時は海外取材が多かったため、免税店や帰りの飛行機で買いまくった。
ヘアトニック、アフターシェーブローション、オゥ・デ・コロン、の3点盛り。天下御免のアラミス三昧の日々を送っていた。
オーソドックスなアラミスはもちろん、ハバナ、タスカニーなどをTPOで使い分けた。
話がグ~んとそれてしまったが、話題をMG5に戻そう。
MG5は1960年代に生れ1970年代の若者文化を牽引した偉大なる男性用化粧品である。
古くはジェリー伊藤、その後は団次郎、草刈正雄、そして加納竜が歴代のイメージキャラクターを務めて来たMG5は、昭和の時代においては常に男性文化の中心的存在であった。