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エッセー 「追憶 ステーキハウスリベラ激闘編」
20代前半、「プロフェッショナル・イーター(Professional Eater)」と呼ばれていた。
今で言うところの " フードファイター " である。
当時、吉野家の大盛牛丼 (この時代、特盛はまだ存在していない)を食べる前に、まずステーキハウス「リベラ」目黒店に赴く。
「えっ? なぜ?」と首をかしげるだろう。
種明かしをすれば、当時「プロレスラーの来る店」として世の大食いファンにその名を轟かせていたステーキハウス・リベラでリブロースの1ポンドステーキ&ライスを30分以内に3人前を完食すれば、食事代がタダとなったうえ、なんと賞金5000円を手中に収める事ができたからだ。
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しかし良い事ばかりではない。タイムアウトや途中棄権の場合には罰金として8000円(確か)の支払いが課せられてしまう。
まさに「天国と地獄」、「泣くか笑うか」、「生きるか死ぬか」。まさに人生そのもののリスキーでスリリングな真剣勝負である。
たかが当時400円そこそこの大盛牛丼を食べるために何故そこまで過酷な挑戦に挑むのか?
と、言うよりも、そんな回りくどいことしないで、とっとと吉野家に行けばいいじゃん!
そんな突っ込みの声が聞こえてきそうだが、これは男のメロン、否、マロン、否、ロマンなのである。
藤岡弘風に言えば「ぼ~けん、なんだよね~」。
当時、自らの胃の腑で稼いだ5000円は、バイト代よりもお小遣いよりも価値あるものだった。
ミッション終了後、心地よい達成感に満たされ五反田駅前の吉野家で食べる大盛牛丼の味は今でも忘れられない。
因みに、過去の戦歴は全戦全勝である。プロフェッショナル・イーターの称号は伊達じゃない!
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