2024年5月の記事一覧
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カーコラム「タクティカル・ドライビング・テクニック」
日本ではまだ縁遠いかも知れないが、今なお世界ではVIP(富裕層及び政府要人)をターゲットとした誘拐事件が多発している多発している。 かつては政治的な色合いが濃かった要人誘拐は、今や国際的な犯罪カルテルが身代金目当てに行う営利誘拐ビジネスへと変貌を遂げている。 誘拐事件の殆どが、VIPがクルマで移動中に発生しており、プロフェッショナルによる計画的犯行が多い。 誘拐犯はまずVIPの乗ったクルマを止める。そのためには交通事故を装ったり、路面に爆発物を仕込んだりと、まさに手段を選ばない。 相手のクルマを止め、ターゲットを外に引きづり出してしまえば誘拐はほぼ成功したも同然。誘拐されないためには、クルマを止めず、素早く危険な状況から脱出するしかない。 そうした極限の状況において必須となるのが " エマージェンシー・ドライビングテクニック "である。 地球上のありとあらゆる地形、地質、環境下で戦うラリーはモータースポーツの中でもとりわけ多彩なテクニックが要求されるカテゴリーである。また、完走するためには刻々と変化する状況に応じ臨機応変な対応も不可欠となる。 そうしたテクニックや状況判断はそのままエマージェンシー・ドライビングへの転用が可能である。 全米プロラリー選手権を戦うラリードライバーにして、戦術的スペシャルドライビングの第一人者として合衆国政府の各法執行機関職員のインストラクターを務めるワイアット・ノックスが主催するドライビングスクールの映像はすべてのドライバー必見の内容となっている。
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カーコラム「鳴海邦彦 MAZDA SA22C型RX7を語る」
SA22C型X-7はデビュー当時、サバンナRX-7と呼ばれた。日本国内では、稀代の快速車・サバンナGT(RX-3)の後継車と位置づけられていたのだ。 日本全国の車好きの間でSA22C型RX-7のデビューが大きな話題になったのには当時の時代背景が大きく影響している。 SA22C型がデビューした1978年は、折しもイラン革命を発端とする第二次オイルショックが始まった年である。1973年のオイルショックの時と同様に原油が高騰し、深夜のテレビ放送の自粛や、日曜・祝日のガソリンスタンド休業などが実施された。 さらに、第二次オイルショックに加え51年規制をはるかに上回る53年排出ガス規制の真っただ中。とてもじゃないがハイパワー車だのスポーツカーなど夢のまた夢といった社会情勢の中、ピュアスポーツを標榜して燦然とデビューしたのがSA22C型RX-7だったのである。