國枝史郎

國枝史郎

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2023年2月に読んだ本

1.美術の物語 エルンスト・H・ゴンブリッチはオーストリア出身の美術史家であり、同氏が書いた本書は数多の改稿、何か国語もの翻訳を経て、今もなお読み継がれている。  序文にも書いてある通り、本書ははじめて美術史(=西洋美術史)に触れる人向けに書かれており、具体的には、数千も数万もある絵画や彫刻、建築作品から、美術史において特に重要と思われる作品を選りすぐってフルカラーで掲載している。このため、本文に出てくる作品名をスマホやパソコンでググらずとも写真をすぐさま参照できるうえ、本

    • 古本を買う

      1.はじめに  最近、大学生時代以来3年ぶりくらいに澁澤龍彦のエッセイを読んだ(『世紀末画廊』.河出書房新社.2010.8.3)。  2021年1月にkindle版を買ってはいたものの、当時は経済学や数学の勉強、その他趣味としての読書は椎名誠の諸エッセイやオーバーロード原作全巻が専らだったため、そっち方面にまで手が回らず、2年あまり塩漬け状態で放置していたらしい。  それから萌え系ライトノベル(主に学園イチャラブ系。文末に掲載)や『准教授・高槻彰良の推察』シリーズを読了

      • 人生のおもいで1.小学校4年生の時

        はじめに 会社員になって働き始めて、何の波風もないままに1年以上が経っていた。  結婚も、恋愛も、旅行も、巷で人生を変えると噂されているコンテンツに全く触れないまま生活して思ったことは、もう自分の人生は消化試合なんだなということだった。小さい頃は部活の試合や同級生の女の子とのちょっとエッチなハプニングとか(幻覚)、そういうことの一つ一つがとても輝いていたから、一年を振り返ろうにも振り返り切れないくらいの充実感があったと思う。  それが驚くくらい急速にすり減っていって、気が